松田聖子 デビュー40周年で復活した財津和夫との名コンビの幸福感
2020年09月16日 10:30
芸能
財津は人気バンド「チューリップ」のリーダー。ヒット曲「心の旅」(73年)をはじめ、「青春の影」(74年)「サボテンの花」(75年)「虹とスニーカーの頃」(79年)など数々の名曲を作詞作曲していた。財津はのちに「チェリーブラッサム」について「従来の歌謡曲と比較して『新しくはないが進んだメロディー』を作ろうとした」と語っている。
「チェリーブラッサム」は当時の人気番組「ザ・ベストテン」(TBS)で2週連続で1位になるなどヒット。以後、財津は81年5月発売の「夏の扉」(作詞は三浦氏)、同年7月発売の「白いパラソル」(作詞は松本隆氏)と3作連続でシングル曲を手掛け、さらに、82年10月発売の「野ばらのエチュード」(作詞は松本氏)もヒットさせた。
聖子が作詞し、財津が作曲するのは、83年6月に発売された聖子の7作目のアルバム「ユートピア」の収録曲「小さなラブソング」以来、37年ぶりとなる。
「風に向かう一輪の花」はデビュー40周年記念アルバム「SEIKO MATSUDA 2020」(今月30日発売)の収録曲。聖子が40周年を迎えた心境を歌詞として書きつづり、その曲作りを財津に託した。
財津は「詞を読んだ時に『これはファンに向かって歌う曲なんだな』と確信めいたものがあった。ステージ上でファンの皆様へ向けて聖子さんがこの曲を歌っている姿をイメージしながらメロディーを考えた」と説明。具体的な内容に関して「歌詞にある『まっすぐな気持ち』はファンに向けての言葉だと思うし、『永遠がうまれる』は聖子さんのカリスマ性を思わせ、『舞い』は三拍子を思わせてくれた」と語る。
♪信じる気持ちが未来を変えた いつでも何かが始まる気がした…と聖子は歌う。歌詞は「気がした」と過去形になっているが、財津の優雅なメロディーに乗せた声を聞いていると、これからまた何かが始まる気がしてくる。古くからのファンにとって、幸福感を生む名コンビの復活である。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。