7月に亡くなった俳優三浦春馬さん(享年30)の最後の主演映画「天外者(てんがらもん)」(12月11日公開)の試写会が25日、大阪市内で開かれ、田中光敏監督(62)があいさつした。「残念ながら主演を亡くしての上映となりましたが、三浦春馬は精いっぱいスクリーンの中で最高の芝居をしてくれています」と訴えた。
三浦さんは、近代日本経済、商都大阪の礎を築いた五代友厚を熱演。田中監督は「春馬君が最後に僕に言ってくれた言葉があります。『監督、この作品に呼んでくれてありがとう』。そういう意味では、思い残すことなく一生懸命芝居ができたと思ってる。ただ僕が残念なのは、春馬君自身が(完成作で)自分の芝居を見ていないこと」と惜しみ、「三浦春馬、それを支えたたくさんの役者たちの最高の芝居をぜひご覧下さい」と呼びかけた。
また、共演の三浦翔平(32)は「この作品は私の中ですでに生涯の記憶の中に残る作品です」とメッセージを寄せた。
五代が設立し、初代会頭を務めた大阪商工会議所(当時・大阪商法会議所)で開かれた今回の試写会。冒頭には三浦さんと、この日が命日にあたる五代に対し、1分間の黙とうがささげられた。