将棋の第68期王座戦5番勝負の第5局は14日、甲府市で指され、永瀬拓矢王座(28)が挑戦者の久保利明九段(45)を110手で破り、対戦成績を3勝2敗として王座タイトルの初防衛に成功した。また、通算3期目のタイトル獲得により、14日付で九段に昇段した。
9月に叡王を失冠したばかりの永瀬は、負ければ無冠に転落するところだったが崖っぷちで踏ん張った。叡王戦に続くフルセットの激戦に、終局後は「いい結果を出せてよかった」と安どの笑みを浮かべた。一方、昨年2月に王将位を失って以来の冠ホルダー返り咲きを狙った久保はあと一歩及ばなかった。
永瀬は王将戦挑戦者決定リーグでは11日に初戦を飾り、20日に木村一基九段、26日に藤井聡太2冠(王位と棋聖)との対戦を控えている。