「エール」“岩城さんロス”広がる 吉原光夫が男気体現 異例の4話連続タイトルバック映像&主題歌なし
2020年10月19日 08:15
芸能
![「エール」“岩城さんロス”広がる 吉原光夫が男気体現 異例の4話連続タイトルバック映像&主題歌なし](/entertainment/news/2020/10/19/jpeg/20201018s00041000438000p_view.jpg)
朝ドラ通算102作目。男性主演は2014年後期「マッサン」の玉山鉄二(40)以来、約6年ぶり。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909―1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・音(二階堂)の夫婦愛を描く。
劇団四季出身の吉原はテレビドラマ初出演。32歳の時にはミュージカル「レ・ミゼラブル」日本公演の歴代最年少ジャン・バルジャン役(トリプルキャスト)を務めたほどの実力派。今回は関内家が営む馬具店の無骨な職人頭・岩城を演じた。
強面だが、職人としての腕は一流。音が小さい頃は作業場に入っただけで叱っていたが、音の父・安隆亡き後、人手が足りず、音に馬具作りを手伝ってもらうように。第19話(4月23日)、歌手になるという音に「お嬢(音)は筋がいい。安隆さんの腕を継いどる」と残念がった。
岩城は音の母・光子(薬師丸ひろ子)と関内家を支え、末っ子・梅の夫・五郎(岡部大)に馬具作りの技術を伝授した。第57話「父、帰る 後編」(6月16日)、あの世から現世に戻った安隆が「再婚を許す」と岩城に手紙を残したが、安隆の姿は二親等までしか見えず、その気配を感じながら、岩城は「おれは安隆さんといるおかみさんが好きなんです」と書き加えた。
しかし、第89話(10月15日)、豊橋に空襲。小説の原稿を取りに燃え盛る家に戻った梅を助けるため、火の海に飛び込んだ。第90話(10月16日)、終戦。一命は取り留めたものの、ベッドに寝たきり。光子は「岩城さん、心臓が悪かったの。ずっとつらいの隠して働いてくれとったんだね」。五郎は「自分のことばっかりで。申し訳ありません」と泣き崩れた。
第91話は、終戦から3カ月。いまだ裕一は曲を作ることができずにいた。音は夫のことを心配しつつ、入院している岩城の様子を見に豊橋に帰る…という展開。
<※以下、ネタバレ有>
五郎は馬具に代わる革製品として野球のグローブを思いつく。光子は「岩城さん、五郎ちゃんが新しい商売を考えついてくれました」と五郎、梅、音とともに眠る岩城に報告した。
音が東京に戻ったその夜の病室。光子に岩城の声が聞こえてくる。「おかみさん、長い間、ありがとうございます」。光子は眠ったままの岩城に頭を下げ「ありがとうございました」と感謝し、別れを告げた。
後日。安隆の横に岩城の遺影が並べられ、光子は「見とってくださいね。必ず3人で立ち直ります」と五郎、梅とともに誓い、豊橋の空に祈りを捧げた。
この日、出演者・スタッフのクレジットはエンディングに流れた。今作最大のヤマ場の1つとなった先週第18週「戦場の歌」の脚本も執筆したチーフ演出の吉田照幸監督(50)は第90話の時点で「一義的には、尺の問題です。撮れ高がたくさんあったので、どうしても(本編映像を)切れませんでした」と理由を説明。「エール」のタイトルバック映像は約70秒だが、これを本編に回した。