フジ「鬼滅の刃」全国ネットGP帯初放送 サザエさん級?幅広い支持でイベント化 今年アニメ視聴率1位
2020年10月24日 08:00
芸能
19年4月にテレビアニメ化され、人気に拍車。複数のローカル局で深夜放送はされてきたが、地上波全国ネットのゴールデン・プライム帯(GP帯=午後7~11時)に放送されるのは今回のフジが初となった。
第一夜16・7%、第二夜15・4%は、ともに同時間帯横並びトップ。フジの全番組中、15%超えは4月19日「Mrサンデー」の15・1%以来、約半年ぶり。第一夜は8月14日に放送された日本テレビ「となりのトトロ」の16・5%を上回り、今年放送された全アニメのうち、堂々の1位に立った。
世代別の視聴率を見ると、第一夜、第二夜ともに「キッズ(4~12歳)」「ティーン(13~19歳)「F1(女性20~34歳」「F2(女性35~49歳)」「F3(女性50~64歳)」「M1(男性20~34歳)」「M2(男性35~49歳)」「M3(男性50~64歳)」で同時間帯横並びトップ。「F4(女性65歳以上)」「M4(男性65歳以上)」を除き、幅広く視聴されたことが分かる。
フジのアニメ15%以上は19年3月10日「サザエさん」の15・0%以来。「鬼滅の刃」と「サザエさん」の世代別視聴率は「キッズ、ティーンの圧倒的な支持に、65歳以下の大人の視聴も加わる」という似た傾向が見られた。
放送に先立ち、アニメ「鬼滅の刃」の高橋祐馬プロデューサー(アニプレックス)は「私はアニメの作品イベントが好きなのですが、好きな理由の1つは『みんなで一斉に楽しめる、一緒に感動できる』からです。全国ネットのテレビ放送は、全国の方々が一斉に楽しめ、同じ番組で一緒に感動できる、ある種イベント的なものだと感じており、フジテレビ土曜プレミアムでの放送という新たなイベントにとてもワクワクしています。上演作は、テレビアニメ放送前に一部映画館で上映していた『兄妹の絆』(アニメ第一話~第五話)、今回の放送用に第十五話~第二十一話を再編集した『那田蜘蛛山編』、どちらも見どころあふれる2時間を超える長編作品です。是非、楽しんでいただけたら、うれしいです」とコメント。
全国ネットGP帯放送を歓迎していたが、関連ワードが次々にツイッターのトレンドに入るなど、まさに「天空の城ラピュタ」の“バルス(滅びの言葉)祭り”のように、視聴そのものが“イベント化”したことを数字が実証したと言える。
放送に先立ち、フジ編成部の渡辺恒也氏は「劇場版『無限列車編』の公開に合わせて、アニメ『鬼滅の刃』をもっと多くの方にご覧いただきたいという、いちファンとしての純粋な思いから、この度の一挙放送企画を提案しました。放送形態には悩みましたが、炭治郎と禰豆子の長く厳しい旅の始まりの物語である『兄妹の絆』と、ファンの間でも“神回”として名高い第十九話『ヒノカミ』を含む『那田蜘蛛山編』を、2週連続の長編作品としてお送りすることにしました。今まで興味はあったけど、まだ見たことなかったという方も、この機会に是非アニメ『鬼滅の刃』の世界に触れていただけると幸いです!」と企画意図を説明。
アニメ第六話~第十話は今月12~16日深夜に、第十一話~第十四話は17日午後1時半から、第二十二話~第二十六話は24日午後1時半から、いずれも関東ローカルで放送。劇場版の大ヒットを受け、年末年始などに再び全国ネット編成も考えられ、フジにとっては新たな“鉱脈”となるかもしれない。
系列局の関西テレビ(カンテレ)も23日から金曜午後7時からの1時間枠(関西ローカル)でレギュラー放送。アニメ第六話~第十四話、第二十二話~第二十六話を12月4日までオンエア。週明け26日に発表される視聴率が注目される。