永瀬王座、羽生九段との全勝対決制し4連勝 豊島竜王に並ぶ「難しい将棋だった」
2020年11月03日 18:04
芸能
終局後、永瀬は「全体的には難しい将棋。悪形が響かなければ角金交換が生きるのかなと思っていた」と振り返った。両者の対戦成績は永瀬の7勝、羽生の4勝で戦型は相掛かり。過去の対戦はほとんどが矢倉か横歩取りで、相掛かりは12回目で初めてだった。角交換から30手目、後手羽生が△2八角と永瀬陣へ角を打ち込み、馬を作ったが永瀬が悪形を意に介さず右金との交換を強要してペースを握った。
駒損の羽生は中盤以降、反撃を開始し、飛車銀桂による攻めを敢行した。64手目△7七歩と打ち込み永瀬が▲7九金と引いた後さらに△7八金と王手金取り。この局面を永瀬は「少し指せている感じはしたが、金を打ち込まれて変な感じがした」。王の早逃げで対処し、羽生の攻めが途切れた77手目以降、冷静に羽生王を仕留めた。
豊島とのマッチレースに持ち込んだ永瀬だが「まずは(来期のリーグ)残留を決められたことが幸運。挑戦権への意識?一局一局が大変なのでそういう感じはしません」と落ち着いた口ぶり。対する羽生は「馬を取られちゃったのでその前の構想に問題があったかと思う。取られてからはダメ。(自分に)あきれてました」。終局後、自ちょう気味に回想し、残り2局については「全力でぶつかっていきたい」と意気込みを語った。