永瀬王座、羽生九段との全勝対決制し開幕4連勝!トップ豊島竜王に並ぶ 王将戦挑決L

2020年11月04日 05:30

芸能

永瀬王座、羽生九段との全勝対決制し開幕4連勝!トップ豊島竜王に並ぶ 王将戦挑決L
感想戦中の永瀬王座(左)と羽生九段。永瀬のバナナは結局手つかず(撮影・我満 晴朗) Photo By スポニチ
 【王将戦挑戦者決定リーグ 】 将棋の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負(来年1月開幕)で渡辺明王将(36)=名人、棋王含む3冠=の対戦者を決める挑戦者決定リーグは3日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、永瀬拓矢王座(28)が89手で羽生善治九段(50)を下し開幕4連勝。首位の豊島将之竜王(30)=叡王との2冠=に並んだ。
 終局時間は午後5時22分。激しくなると決着が早くなる相掛かりでスタートした一戦とはいえ、羽生の持ち時間を1時間26分残しての投了に追い込んだ棋譜は紛れもなく永瀬の快勝だ。「割と新しい将棋で初見の進行。判断しづらい要素が多かったので分からなかった」とのコメントとは対照的なほど。

 序盤に交換した角を30手目で2八に打ち込まれ、32手目で角成りとされる。一見ピンチだが右金を寄せ、43手目には2八歩で念入りに馬を包囲。5五の天王山に構えた飛車を1マス下げて当たりを弱くしてから49手目の2九金で馬を捕獲すると勢いに乗る。「角金交換になったので、主張のある形になると思ってました」。中終盤は終始後手側にプレッシャーをかけ続け、最後は自王の詰みがないことを時間をかけて確認し、羽生王を討ち取った。

 「終盤はペース(を握った)と思いましたが、はっきり分からなかった。少し変な感じもしたので違う手を指したかったのですが…」

 永世7冠資格を持つ棋界のレジェンドとは昨年6月4日以来、1年5カ月ぶりの対戦。この時は133手で敗れたが、勝った羽生は通算1434勝目を挙げ、大山康晴15世名人(故人)の持つ歴代最多勝記録を更新した。快挙の「引き立て役」になった感もある一方で、通算成績はこの日で永瀬の8勝4敗。「羽生キラー」としての位置を着々と築きつつある。

 これでリーグは初参加ながら開幕4連勝。豊島とトップ並走で挑戦権獲得へ最短距離に立ったものの「まずは残留を決められたのが良かった。一番いい結果でこられているのは幸運です」と素朴な心境を明かす。続けて残り2戦には「一局一局凄い大変。今まで通り一生懸命頑張りたい」と静かに決意を示した。

 気がつけば昼食休憩時に注文したバナナ3本には全く手を付けなかったほどの省エネ勝利。「軍曹」は我が道を堂々と突き進んでいる。(我満 晴朗)

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