羽生九段、入院の影響感じさせず白星 20日最終局の豊島戦へ「全力で臨めたらいい」

2020年11月17日 20:15

芸能

羽生九段、入院の影響感じさせず白星 20日最終局の豊島戦へ「全力で臨めたらいい」
木村一基九段(左)に勝利し、1敗を守って感想戦を行う羽生善治九段 Photo By スポニチ
 将棋の第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)7番勝負(来年1月開幕予定)で渡辺明王将(36)=名人、棋王含め3冠=の対戦相手を決める挑戦者決定リーグは17日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、羽生善治九段(50)が91手で木村一基九段(47)を破り、通算成績を4勝1敗として挑戦に望みをつなげた。
 対局開始から8時間半を経ても変わらぬ鉄人ぶりだった。羽生が14日まで入院した影響を感じさせず終局後、木村との感想戦にも快活に応じた。

 棋風が正反対の進行になった。羽生がポイントに挙げた「(木村の)8五の桂を取り切れるかどうか」。39手目▲8六歩と、木村飛車が背後に控えるその桂を本来守り駒の歩で奪いにいく。木村の異名「千駄ケ谷の受け師」のお株を奪う、攻め駒を攻める受けで先行した。

 さらに入手した桂を61手目▲5六桂、63手目▲4六桂と並列に打ち付け、流れをつかんだ。「桂2枚が入る展開になってちょっと指しやすくなったかと思った」。第65期以来5期ぶりの7番勝負出場へ望みをつないだ。

 「対局する上では特に大きな問題はなかった」。通算100期を懸けて挑戦中の第33期竜王戦7番勝負。京都市での第3局で豊島に敗れ、1勝2敗とした翌9日、38・9度の発熱が判明した。2度のPCR検査などの結果、無菌性髄膜炎と診断され入院。12、13日に福島市で予定された第4局は延期になり、14日の退院を経てこの日が復帰戦だった。

 20日の最終局、豊島戦へ「あまり難しいことは考えず、全力で臨めたらいい」と羽生。まずリーグ残留を決め、プレーオフ進出へは勝利が条件となる。

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