朝ドラ史上初?「エール」最終回は異例のコンサート 古関メロディー全編15分!窪田正孝「一足早い紅白」
2020年11月21日 08:15
芸能
朝ドラ通算102作目。全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909―1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏をモデルに、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・音(二階堂ふみ)の夫婦愛を描く。
10月22日、窪田や二階堂をはじめ、井上希美(28)小南満佑子(24)古川雄大(33)中村蒼(29)山崎育三郎(34)森山直太朗(44)堀内敬子(49)吉原光夫(42)薬師丸ひろ子(56)佐久本宝(22)松井玲奈(29)や子役らがNHKホールに勢揃い。それぞれがドラマのキャラクターとして全9曲を熱唱した。
司会を務めた窪田は「一足早い紅白歌合戦のようでした!まさか、NHKホールでコンサートができるとは思ってもみなかったので、朝ドラでまた新しい挑戦ができたんじゃないかと思います。司会と指揮をさせていただきましたが、紅白の司会はこんな感じなのかと、疑似体験させてもらいました(笑)。そして『エール』は古関裕而さんがいなければ生まれなかったこともあらためて感じましたし、皆さんのパフォーマンスを特等席で聞かせてもらって、夢のような時間でした!」と感激の面持ち。
森山と山崎は藤堂先生&久志の師弟として「栄冠は君に輝く」をアコースティックコラボを披露。山崎は「裕一の夢の世界のようなファンタジーに満ちあふれた豪華な回になったと思います。僕も鉄男(中村)のギター演奏を指名させてもらったり、藤堂先生と共演させてもらったり、さながら『エール』の打ち上げみたいな感覚になりました。ミュージカルで活躍しているメンバーの魅力や古関裕而さんの楽曲の素晴らしさも伝えるコンサートになっていますので、是非お楽しみに!」とアピールした。
森山は「古関裕而さんの作った曲を題材にした最後にふさわしい打ち上げ花火のような回になりそうです。また、ただ単にお祭りをするだけでなく、コロナの影響により中断などがある中で、逆に視聴者の方からのエールを頂いたその分、音楽で恩返しできたらというスタッフ、出演者の意気込みや緊張感も並々ならぬもので、本物の音楽番組さながらか、それ以上の出来栄えになりました」と自画自賛し「最後にふさわしいフィナーレになることを心から願っています。みんなで楽しみましょう」と呼び掛けた。
プロデューサー陣からの「最終回のどこかに歌を」という提案に、チーフ演出を務めた吉田照幸監督(50)は「歌が途中に入るのは、どこか違和感があって。最後に古関裕而さんに感謝の気持ちを込めて歌うのは、このドラマにしかできないことだと思いました」と“コンサート開催”の企画意図を説明。「(ミュージカルが本職の)昌子さん(堀内)や岩城さん(吉原)があれだけうまいのに本編で歌っていなかった無駄使いの反省も込めて、最後に歌っていただくのは衝撃かと」と笑いを誘った。
「のど自慢」「歌謡コンサート」など「もともと歌番組を担当していたので、昔を思い出して楽しかったですね。度肝を抜かれたのは、やっぱり岩城さん。紅白歌合戦も含め、これだけ歌番組に携わってきましたが、今回、岩城さんの『イヨマンテの夜』の第一声を聞いた時、うまいとかじゃなく、ちょっと笑っちゃうぐらいでした」と32歳の時にはミュージカル「レ・ミゼラブル」日本公演の歴代最年少ジャン・バルジャン役(トリプルキャスト)を務めたほどの吉原の実力に舌を巻いた。
「栄冠は君に輝く」はアコースティック版、「長崎の鐘」は二階堂の歌&窪田の指揮と軸の構成を決め「あとはおのずとスムーズにいきました。『栄冠は君に輝く』はマーチ風に歌うのとは、また違う何かが生まれるんです。音さんは1年間、歌唱レッスンを努力され、あのレベルまで達したことに感動しました。コンサートの収録は一部、紅白経験チームにも手伝ってもらいました」と振り返った。
コロナ禍の影響のため、クランクアップ後に打ち上げも開けず。制作統括の土屋勝裕チーフプロデューサーは「その代わりと言っては何ですが、NHKホールに全員集合して、本当にいい時間になりました。みんなの熱量は画面を通じて伝わるはず。普通は夜に放送する内容ですが、朝の8時から15分、最後にたっぷりと堪能していただけたら、うれしいです」と願っている。
【「エール」コンサート曲目】
(1)「とんがり帽子」(古川、井上、小南、子役)
(2)「モスラの歌」(井上、小南)
(3)「福島行進曲」(古川)
(4)「船頭可愛や」(山崎、ギター・中村)
(5)「フランチェスカの鐘」(堀内)
(6)「イヨマンテの夜」(吉原)
(7)「高原列車は行く」(薬師丸)
(8)「栄冠は君に輝く」(森山、山崎)
(9)「長崎の鐘」(二階堂ほか全員、指揮・窪田)