池田エライザ 羽ばたく方法はインコたちが教えてくれる――「夏、至るころ」で映画初監督

2020年12月06日 10:00

芸能

池田エライザ 羽ばたく方法はインコたちが教えてくれる――「夏、至るころ」で映画初監督
ペットのウロコインコのホクサイを肩に乗せて笑顔を見せる池田エライザ Photo By 提供写真
 【夢中論】モデル、女優として活躍する一方で、音楽番組で弾き語りを披露するなど、多彩な才能を発揮している池田エライザ(24)。4日に公開された映画「夏、至るころ」では監督デビューも果たした。私生活では、ペットのインコとの暮らしを満喫。インコに支えられて、エンタメ界で力強く羽ばたいている。(伊藤 尚平)
 爽やかな鳥のさえずりで目を覚ます。日が昇り始めたばかりの午前6時。ベッドを出て、日当たりの良い別の部屋に行くと、6羽のインコが鳴いている。南米に棲息する緑色のウロコインコや、つがいで飼うと深く愛し合う「ラブバード」として知られるボタンインコなど。鳥かごを開けて部屋に解き放ち「遊ぶ?」と聞くと「アソブ!」とおしゃべりが返ってくる。餌をあげて、飛び回る姿を見守る。毎朝のルーティンだ。

 「朝6時ごろから必ず鳴き始めるので、一日の始まりのタイマーになる。私自身にゆとりができるし“朝は紅茶飲もうかな”とか。人間らしい生活が送れるようになったのは、小鳥がいるから」

 インコとの出合いは4年前。渋谷の東急ハンズのペットショップで、ある一羽に目を引きつけられた。「なんとまあ、あざとい子がいて。小さなボールにバランス良くちょんと立ってたんです」。可愛さにハートを撃ち抜かれて飼い始め、今や6羽に増えた。

 「飼い主が好きで、嫉妬心が強いんです。パソコンのキーボードをはいじゃうし、お客さんが来るとカーッとなる。でもその分、愛情深くて、踊ったり歌ったりしてくれる。おなかがすいたらガンガンって音を立てて揺らすし、みんな分かりやすい子なんですよ」

 時には自分の状態を知るバロメーターにもなる。「6羽もいるとケージの掃除も楽ではなくて、掃除をしてると“私、結構疲れてたんだな”と気づくんです」。以前は寝る時間を削ってでも働けば何かが生まれると考えていた。でも、インコと暮らす今は違う。「コンディションを整えると仕事の効率が上がる。プライベートの大切さが分かりましたね」。穏やかな表情だ。

 生活基盤が整えば、中身が充実してくる。池田は水彩画、歌、ギター、読書などインドアの趣味が多い。それが最近は特に仕事へとつながっている。自身のモデルブックの挿絵を描き、雑誌でエッセーを連載し、音楽番組で歌う機会も増えた。

 「家から出ない、外食に行かない、人に会わない。これを貫いてると、おのずと趣味は増えますよ。だって飲みに行ったりしないから、暇なんですもん」

 4日公開の「夏、至るころ」では映画監督に初挑戦。「小学生の頃、小説を書きたいと思ってた。監督も、物語を空想する延長線上だと思います」

 空想は自身の中で「研究所」みたいなものだという。「この人とこの人を会わせてみるとどんな人生になるんだろう、とか。忘れないようにメモして、それを深掘りしたり、プロットに仕上げたりしてる」。今作の原案も、舞台となった福岡県田川市の人々に聞いた話から空想を広げ、一晩で書き上げた。ちなみに、ペットのウロコインコのホクサイくんも「ミドリちゃん」として出演している。

 小学生時代に「図書室の本を全部読む」と決めて、本当にほとんど読み切ったことがある。「少なくとも1日1冊、週に10冊。授業中も机の中で読んでいて、でも、ガリ勉だからノートだけ取っておいて家で復習するんです。それって、気持ち悪くないですか?」。自虐的に笑った。ただ、これこそが池田の性格をよく表したエピソードだ。夢中になれる強みと、学びへの貪欲さ。その左右の翼があるから、趣味を仕事に昇華させるまで突き詰められる。羽ばたく場所は、これからも広がっていく。

 ≪男子高校生2人の最後の夏休み描く≫映画「夏、至るころ」は、福岡県田川市を舞台に男子高校生2人の最後の夏休みを描いた作品。幼い頃から一緒に和太鼓を叩いてきたが、親友(石内呂依)が「公務員になる」と受験のためやめてしまい、主人公(倉悠貴)は立ちすくむ。ぶつかり合いながら、互いに前を向く姿を描いた。池田は「私が若い頃に事務所の方に引っ張り上げてもらった。その恩があるから、私も若い人たちの視界をクリアにできるようなメッセージを与えたい」と意図を明かし「映画を見た後に、自分を思いやる時間をつくってくれたらうれしい」と話した。

◆池田 エライザ(いけだ・えらいざ)1996年(平8)4月16日生まれ、福岡市出身の24歳。日本、フィリピン、スペインの血を継ぐ。09年にティーン誌「ニコラ」のモデルオーディションでグランプリ、モデル活動を開始。女優としての出演作に映画「みんな!エスパーだよ!」「ルームロンダリング」「貞子」など。雑誌「POPEYE」「ケトル」で連載を持っている。1メートル70。

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