林家こん平さんを悼む――病と闘い、プライドかけ挑み続けた「都電落語会」
2020年12月21日 20:55
芸能
家族の必死の介護が少しずつ功を奏し始めた頃、咲さんは「何か生きがいを」と考えた。これが結実したのが2014年8月に始まった「都電落語会」だった。
咲さんは時にスパルタだった。都電落語会でこん平さんに古典落語「寿限無」に挑戦させたことがある。さすがに無理だった。こん平さんに感想を聞くと「今日は調子が悪かった」と話した。一代を築いた噺(はなし)家のプライドだった。
「都電落語会は東京五輪までは続けたいね」と話していたこん平さん。コロナがなければ実現していた。それが何とも悔しく思う。(元落語担当・江良 真)