記者が見た“嵐というアイドル” 3世代に愛された独特の「一体感」

2021年01月01日 06:00

芸能

記者が見た“嵐というアイドル” 3世代に愛された独特の「一体感」
生配信ライブでトークする嵐の(左から)相葉雅紀、二宮和也、櫻井翔、松本潤、大野智 Photo By 提供写真
 【嵐 活動休止 】 【記者の目】嵐のコンサート会場で目立つのが親子連れ。音楽関係者は「若い時に嵐を応援していた女性が年齢を重ね、その子供もファンになったという話はよく聞いた。子供の影響で母親もファンになったという親子も多く、3世代でファンの家庭も珍しくない」と語る。なぜ、嵐はこれほど幅広い支持を得ることができたのか。
 要因の一つはグループの一体感だ。嵐はグループ内のセンターが決まっていない。これはメンバーの人気や実力に大きな差がないことを意味する。これほど格差がないグループは見たことない。普通、支柱のない組織はもろい。しかし、嵐の場合は「絶妙な距離感」(相葉)でバランスを保ち、不動のメンバーで21年間活動を続けた。ファンが「わちゃわちゃしている」と表現した、独特の一体感は幅広く支持された。

 「優等生」「健全」のイメージも強かった。取材していても「俺が俺が」というタイプはおらず、現場にはいつも和やかなムードが漂った。高学歴アイドルの先駆けとなった慶応大出身の櫻井が、キャスターとして成功したことも大きかった。

 ジャニーズ事務所のファンクラブは「ファミリークラブ」の名称で親しまれる。そこには「タレントやグループを家族で応援してほしい」との願いも込められている。その理念を実現した嵐はジャニーズにとっても理想のグループだった。

 メンバーはこれから個々の道を歩む。国民的グループとしての嵐に唯一足りないのは「個の力」だ。グループとして多くの金字塔を打ち立てたが、個々の仕事で十分な実績を残せたとは言えない。

 二宮は昨年末のインタビューで「(今までは)ほとんど嵐だったからこそ頂いていたお仕事」と語った。グループを離れる影響は大きい。しかし、個の力を磨いたメンバーが再集結した時、嵐は「理想」を超えた「夢」のグループになる。(文化社会部デスク・小枝 功一)
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