藤井2冠 “天敵”豊島竜王に7戦目で初勝利、得意早指しで呪縛解いた
2021年01月18日 05:30
芸能
この日も中盤までは互角の展開。先に1分将棋に追い込まれ、難解な終盤戦では持ち時間がない中でミスも出た。それでもそこから詰めろに追い込む逆襲の一手を繰り出せるところが冠ホルダーとなった今の底力だ。
前期こそ準決勝で敗退した一般棋戦の朝日杯だが、持ち時間各40分の早指しはめっぽう得意。2019年の第12回大会決勝で渡辺明王将(36)=名人、棋王との3冠=を下して2連覇を果たしていた。タイトル戦の番勝負のような大舞台は、持ち時間が最低でも各4時間もある。棋界関係者からは「得意の早指しの将棋で下したとはいえ、苦手の豊島にやっと勝ったことで、本来は別物のタイトル戦で豊島と当たる時に自信を持って臨めるだろう」との声が上がった。別の関係者は「将棋には相性があるとはいえ、あれほどの勝率を誇る藤井が6連敗をするほど豊島に負けるのが不思議だった。この勝利がどのような影響を与えるかは未知数だが、プラスに働く可能性はある」とした。
来月11日の準決勝では渡辺明王将と激突する。藤井は「精いっぱい、いい将棋を指せるよう頑張りたい」と語った。2年ぶりの優勝で、高校生棋士としての有終の美を飾れるか注目される。