直木賞の西條奈加さん 選考委員の評価に「それが私の最大の欠点」
2021年01月20日 20:37
芸能
以前から「賞は宝くじのようなもの」と話していたが、「私には遠いもの、身近でないもの。うれしいし、光栄だが、戸惑いが大きい」とも。すでに3、4年先まで仕事が決まっており、受賞によってさまざまな別の仕事が入るようになることに「今抱えている仕事の締め切りがどうなるのか」と現実的な心配をした。
受賞作は江戸の千駄木を舞台に、懸命に生きる無名の人々を愛情深く描いた短編集。選考委員からは「欠点がないところが欠点」と評されたが、「それが私の最大の欠点。小説は尖っていた方がいいと思うが、私はよくバランスがいいと評価される。欠点がないと言われることは非常に納得がいく。自分の中でストンと落ちるものがあった」と冷静に分析した。
コロナ禍で磁心の生活は大きく変わっていないとしたが「読者の存在をより身近に、前よりも意識して考えるようになった。読んでもらって初めて小説というのは完成するものという意識が非常に強くなった」と、最後に感謝の意を示した。