志村けんさん 大がかりセットにこだわったコント哲学 渡辺徹「本物の中でバカをやるから面白い」
2021年01月27日 12:27
芸能
時代劇コントも、志村らの裸に目が行きがちだが、しっかりしたセットで多くのカット割を使った、手間暇をかけたものだった。渡辺は「後ろのセット見ました?重厚なセットをちゃんと立ててやるっていうのがね。志村さんがいつもそれにこだわっていたんだよね」と当時を振り返った。
渡辺は、86年に放送を開始したTBS系「加トちゃんケンちゃんごきてんテレビ」のほか、フジテレビ系「志村けんのだいじょうぶだぁ」など、志村さんと長く、深い交流を続けた。「飲んだ時に教えてくれたのが、『バカなことをやらなきゃいけない。だけど、バカなことをいいかげんな中でやったら全然おもしろくない。本物の中でバカなことをやるからおもしろい』って」と、飲み会の席で志村さんのコント哲学を何度も聞いたという。「セットとか道具、トースターから(パンが)飛び出たりして、最後爆発したり、あんなの作るの大変じゃん?そういうところに力を入れてましたよね」と明かした。
渡辺は、志村さんとスタッフが刺激し合っていたことを示すエピソードも披露した。ある時代劇コントで、用意されたかまどの上には四隅に、お清めのための塩が盛られていた。という。それを見た志村さんが「やりやがったな?」とニヤリ。コントにかける思いの強さがスタッフにも通じていたようで、渡辺も「コントに何も関係ないのに、そうやって準備を進めていた」と感心していた。
渡辺が「いい意味での美術さんやカメラさんや志村さんとの戦い。『負けるか志村!』という気持ちがいいものを作ってきたんだな」と振り返ると、MCの「千鳥」大悟(40)は「なのにわしらはケツの割れ目しか見てなかった…」と反省し、笑わせていた。