朝ドラ「おちょやん」明日海りお 「まずはカメラに慣れるのが課題」

2021年02月10日 08:30

芸能

朝ドラ「おちょやん」明日海りお 「まずはカメラに慣れるのが課題」
NHK連続テレビ小説「おちょやん」の高峰ルリ子(明日海りお)(C)NHK Photo By 提供写真
 【牧 元一の孤人焦点】元宝塚歌劇団花組トップスターで女優の明日海りお(35)がNHK連続テレビ小説「おちょやん」で強い光を放っている。
 主人公の千代(杉咲花)が参加する喜劇一座「鶴亀家庭劇」の座員・高峰ルリ子役。極めて高慢そうなキャラクターだが、明日海は「『最初は嫌な人だと思ったけど、かわいげもあるな』と思っていただけたらうれしいです」と話す。

 強い印象を残したのは8日放送の稽古場の場面。ルリ子は、千代ら座員の前で「私は喜劇なんてバカげた芝居はやりたくないの。これでも私は『花菱団』(東京の新派の名門劇団)で主役を張ったこともある女優よ!」と言い放った。この役柄に関して明日海は「私自身も宝塚歌劇団を卒業しましたので、ある程度共通点があるのではないかと感じました」と明かす。

 この場面の中で、なぜか、ルリ子がカメラ目線になるシーンがあった。明日海自身がまだドラマの撮影に慣れていない状況を踏まえてのパロディーに見え、笑いを誘った。

 一昨年11月に宝塚歌劇団を退団し、初めての朝ドラ出演となった明日海はこう話す。「舞台に立っている時は、客席を基準にして自分の見え方や相手との立ち位置を考えていたのですが、ドラマは同時に何台ものカメラがいろいろな方向から撮影します。どの角度から、どういう画を撮りたいのかということを瞬時に察知する感覚が最初はなかなかつかめませんでした。まずはカメラに慣れるのが課題です」。

 しかし、実際に出演場面から感じるのは、杉咲らとうまく融合している様子。明日海は「宝塚歌劇団の時の癖で、演じようとすると大きな声を出してしまうので、なるべくナチュラルな発声でやろうと思いました。でも、実際に初めてリハーサルに参加した時に、千代ちゃん(杉咲)をはじめ皆さんが本当にパワフルでエネルギッシュなので、ボリュームとかそんなことを気にしている次元じゃない、思い切りやろうと吹っ切れました」と語る。

 ルリ子は千之助(里田英利)がアドリブを連発することに反発し、一座を離脱したが、実は悲しい過去があることが判明する。

 明日海は「ルリ子は恋人だった劇団主宰を奪われ、主役の座からも降ろされ、ずっと一緒にやってきた仲間たちから後ろ指をさされるような形で辞めざるをえなかった。それでも舞台に立ちたい、芝居を続けたいと『鶴亀家庭劇』で頑張ろうとしても、自分のプライドが邪魔になって衝突してしまう。高飛車な態度で強い女性ですが、だんだんとほぐれていき、内面の成長や、他の座員との交流の中で、絆が深まっていくのを見ていただければと思います」と話す。

 10日の放送では、千代と打ち解けて泣き笑いする横顔が愛らしかった。映像の世界に活躍の場を移した明日海の新たな魅力がにじみ出る作品になりそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。
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