渡辺王将スイープか、永瀬王座逆襲か 両者背水の乱打戦 王将戦第4局第1日
2021年02月14日 05:30
芸能
「もう中盤戦から終盤戦。ここから穏やかな展開になることはないでしょうね。駒と駒がかなりぶつかってますから」と眼光鋭い渡辺。対する永瀬も「そろそろ終盤戦に入ったかなと。激しくなったのかなという感じがします」とコメントをそろえた。
54手目の△6四歩は渡辺が三段目に並んだ自身の銀桂を生かす目的の「つっかけ」だ。以降の細かいやりとりで両者とも銀桂を持ち駒にし、相手の傷口を狙う。現代将棋らしい高いレベルでの攻防戦。第1日を終えた盤面は先手も後手も撤退が死を意味する背水の陣に見える。
渡辺が勝てば2期前の第68期(19年1~2月=対久保利明王将)以来、2度目のスイープとなる。現行制度の王将戦7番勝負でストレート勝ちした棋士は第18期(1969年)の大山康晴王将(当時)をはじめ、渡辺で6人目だ。だが複数回達成したのは、5度もマークした羽生善治九段1人しかいない。渡辺は泣く子も黙るレジェンドの領域に踏み込もうとしている。
「駒損なので、向こうの飛車が中ぶらりんの間に何らかの代償を得たいですね」。やや押されている状態で一夜の熟考に入った渡辺に、連続防衛という名のバレンタインチョコは届くのだろうか。
《封じ手は?》
▼正立会谷川浩司九段 ▲4五飛の一手。その後の手順をしっかり考えるために、ここで封じたのだろう。
▼副立会中川大輔八段 本命は違うが、▲7二銀も考えられる。8筋に効いている後手の飛車をいじめる狙い。
▼記録係田中大貴三段 ▲4五飛しかない。飛車を捨てる展開になると、厳しくなるから。
《SORANO HOTEL 初実施に「背筋伸びる」》「SORANO HOTEL」は絶景の温泉プールを擁する都市型リゾートホテルで、20年6月開業。将棋のタイトル戦の実施は初めてで、宿泊担当の鶴岡良祐さん(36)は「緊張感が独特。背筋が伸びる」と話した。熱戦を支えるため、特に食事面に注力。1カ月前から会議を重ね地元食材を使った和食ベースの特別メニューを考案した。料飲担当の菊元悠祐さん(42)は「次はぜひ、王将戦の全対局をやってもらいたい」と笑った。