梶芽衣子 渡哲也さんと愚痴った帰り道…それでも「2人とも50年以上やったの」
2021年02月17日 19:18
芸能
演技や歌に興味があったわけではなく、スカウトされて入ったという芸能界。「何もできない、分からないで、あっという間に1年が終わった」、「毎日、『ああ、やめたいやめたい』と思っていた」という後ろ向きな駆け出し時代を振り返った。そんな時、映画館で見たのが田中絹代さんの映画「流れる」(56年)だった。自然でリアリティーあふれる演技に感動して、女優を生業としていきたい気持ちが開眼。「あの映画がなかったら、こうしてここにいないと思います」と、天国の田中さんに感謝を語った。
昨年、死去した俳優・渡哲也さんとは同期デビュー。渡さんとは、撮影所の帰り道で忘れられない思い出があるという。「2人で歩いていると、後ろからスターの車がブアーっと来る。そのたびにほこりをかぶる。『今度ベンツよ、リンカーンよ』って。『ねえ、ああいう車に乗れるまでやる?』って聞いたら、(渡さんが)『男子、一生の仕事にあらず』って。『私も明日にでもやめたい』って言っていて…2人とも50年以上やったの」と笑わせていた。
女優生活56年目ながら、「56年やってきても、本当の意味での達成感がない。これが私をここまで頑張らせる理由だと思った」と、道半ばであることを強調。「元気で死にたい。欲しいものといったら、元気しかない。この歳になったら分かる」と報道陣に語りかけていた。