満島ひかり ドラマ「江戸川乱歩短編集」新作で「宇宙感」

2021年03月22日 10:30

芸能

満島ひかり ドラマ「江戸川乱歩短編集」新作で「宇宙感」
NHK・BSプレミアム「シリーズ江戸川乱歩短編集4」で明智小五郎を演じる満島ひかり(C)NHK Photo By 提供写真
 【牧 元一の孤人焦点】女優の満島ひかり(35)が主演するNHK・BSプレミアムのドラマ「シリーズ江戸川乱歩短編集4」が23日にスタートする。
 乱歩の小説をほぼ忠実に映像化する人気シリーズ(2016年開始)の第4弾。満島が演じる名探偵・明智小五郎のほか、初めて怪人二十面相と少年探偵団が登場する。

 怪人二十面相と少年探偵団は1936年(昭和11年)から雑誌で連載された少年向け推理小説シリーズのキャラクター。これまで「シリーズ江戸川乱歩短編集」では「D坂の殺人事件」「屋根裏の散歩者」など大人向けの作品を映像化してきたが、第4弾で初めて視聴対象を子供まで広げる。

 淵邉恵美プロデューサーは「最初に明智をやろうと考えた時、子供の時に読んだ『怪人二十面相』の印象が強かった。このタイミングなら、満を持して、少年シリーズができるのではないかと思った」と話す。

 放送されるのは「怪人二十面相」(23日後7・00)、「少年探偵団」(24日後7・00)、「妖怪博士」(25日後7・00)の3作。過去のシリーズでは各話ごとにさまざまな衣装を身につけていた明智が今回は少年シリーズとしての統一感を出すため、各話とも同じ服装で登場する。

 最大の注目点は、やはり、満島の個性的な芝居だ。

 淵邉氏は「満島さんには『太宰治短編小説集』の『カチカチ山』(2010年)でウサギ役をやっていただいた。乱歩シリーズで誰が明智を演じたら驚いてもらえるかと考えた時、『あの天才なら、今までにない明智ができるのでは』と思った。女性が男性の役を演じる場合、どうしたら男性っぽくなるかを考え、声を低くしたりするものだが、満島さんは男性か女性かは関係なく、『この乱歩作品の中で明智はどんな存在なのか』ということを考えて演じている」と語る。

 確かに、このシリーズを見続けていると、女性が明智を演じていることへの違和感は消えうせ、満島が作り出す強烈な個性が胸に染みこんでくる。「満島明智」という新キャラクターが確立された印象だ。

 満島はシリーズ第2弾の「人間椅子」と第3弾の3作では明智を離れ、女性の主人公を演じた。その依頼を受けた当初は「女ですか?嫌だ。私に女をやらせるなんて…」と拒絶反応を示していたそうで、今回、明智への復帰を依頼された際には「うれしい」と大喜びしたという。満島の特異な一面を物語る逸話だ。

 淵邉氏は今シリーズについて「満島さんはこれまでよりさらに解放された感じ、自由に泳いでいる感じで、『宇宙感』が強くなっている。今回は少年探偵団を率いる団長としての明智で、撮影で一緒だった子供たちから『カッコいい』と言われていた。テレビで見てくれる子供たちも『カッコいい』と思ってくれるといい」と期待する。

 もちろん、大人も、宇宙感漂う満島を楽しみたい。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。
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