北村匠海らが歌う令和の筒美京平作品
2021年03月27日 08:36
芸能
このアルバムで楽曲をプロデュースした音楽プロデューサー・武部聡志氏(64)は今回の特番について「とても貴重な企画が実現した。若手世代を代表する北村匠海さんと橋本愛さんのパフォーマンスにも注目」と語る。
トリビュートアルバムにも参加している橋本と北村について、NHKエンタープライズの原田秀樹・エンターテインメント番組部部長は「いつまでも色あせない筒美作品を、いまの若い世代を代表する表現者であるお二人に歌っていただくことで『世代を超えて歌い継ぐ』という番組のコンセプトを具現化できると期待した」と説明。
収録に臨んだ2人に関して「北村さんは武部さんのピアノはじめアコースティックなユニットで、橋本さんは武部さんのピアノと本間昭光さんのシンセサイザーによる演奏とともに歌っていただいた。いずれも昭和歌謡を代表する大ヒット曲のカバーだが、オリジナルバージョンとは全く異なる雰囲気で、名曲を令和のいま生まれ変わらせていただいたという印象。俳優としても大活躍中のお二人ならではの、魅力的な歌声が紡ぎだす世界観に思わず引き込まれてしまう」と話す。
北村は映画「君の膵臓をたべたい」「サヨナラまでの30分」などに主演した人気俳優。バンド「DISH//」のメンバーとして音楽の世界でも活躍している。
北村が歌うのは、尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」。1971年に発売され、その年に日本レコード大賞と日本歌謡大賞をダブル受賞したヒット曲だ。尾崎さんが太く力強い声だったのに対し、北村は繊細で伸びやかな声。歌の終わりの♪その時心は何かを話すだろう…という部分が、こちらの胸にじわりと染みこんでくるような仕上がりになっている。
番組の前半では、尾崎さんをはじめ、原曲を歌う歌手たちの秘蔵映像も流れる。懐かしい昭和の味わい…。時代の大きな流れを感じるとともに、音楽の永続性を実感することができる。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。