岡田健史 大河「青天を衝け」の平九郎役に「愛情を持って寄り添う」
2021年04月02日 11:00
芸能
2018年、TBS系の連続ドラマ「中学聖日記」で主人公の教師(有村架純)に恋する中学生を演じてデビュー。昨年公開された映画「望み」(監督堤幸彦)では、失跡して物語の核心となる高校生を演じ、強い存在感を漂わせた。
今作の平九郎は、尾高家の末っ子。のちに栄一の妻となる姉・千代(橋本愛)を慕いつつ、偉大な兄・惇忠(田辺誠一)と長七郎(満島真之介)の背中を追いかけて文武両道を歩む。
役柄に関して「実際に本人にお会いしたことはないですし、ご親族の方々とお会いしたこともないですし、平九郎さんの史実に一貫性がないという事実もあります。歴史とはそういう物だと思います。だからこそ、私なりの最大の愛情を持って寄り添うことが大事なんだと感じています」と語る。
3月28日の放送で初登場。尾高家の前で栄一を見つけると「栄一さん!」とうれしそうに駆け寄って満面の笑み。栄一に「また背伸びた?」と問われ「ほうかぁ?」と自分の頭に手を当てる姿が初々しかった。
「初登場のシーンは、クランクインして3カ月ほどたって撮りました。さほど緊張はしていなかった中でも、視聴者の方々には、成長した平九郎を初めて目の当たりにする大事なシーン。『栄一さん!』『ほうかぁ?』の短いセリフで平九郎がどんなふうに育ったか、子役の方からのバトンを引き継ぐ緊張感はありました」と振り返る。
初共演の吉沢について「とにかく柔らかい方という印象です。とにかく聞いて、とにかく見てくれて、ご自身の意見よりも周りの意見を咀嚼(そしゃく)する姿を多く見ている気がします」と話す。
時代劇を演じる苦労に関しては「やはり、私はどこまでいってもスマホを利用せざるを得ない現代人だという現実です。本当の意味では過去の人物にはなり得ないんです。ただ、私が役者としてできることは、寄り添うことです」と率直な思いを明かす。
平九郎は「幕末一のイケメン」とも言われる役柄。今後、栄一のパリ行きに伴って「見立て養子」となり、幕府崩壊の動乱に巻き込まれていく。
「私自身の演技よりも、この作品は今の時代に放出する意味がある作品だと思います。私の芝居が悪目立ちしないことを心から願っています」と語る。
いくら本人が控えめでも、その強い光がこれから視聴者の目を引いていくことは間違いない。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。