坂口愛美アナ 文化放送新番組で「目指すは黒柳徹子さん」
2021年04月16日 13:00
芸能
昨年4月に文化放送に入社。愛媛朝日テレビに在籍していた一昨年、同期社員とコンビを組んでM-1グランプリ予選に出場した経歴を持つ。
「元々、お笑いが好きだったんです。ずっと出たかったので、『ネタを考えるのはフリートークの練習になるし、テンポや間の練習にもなる。アナウンス力を磨こう』と同期を説得して出ました」
ラジオに関心を抱くようになったのは仕事の移動の際に車内でよく耳にしていたことから。カラオケボックスに行き、架空のラジオ番組のパーソナリティーに成り切って曲を流す遊びに興じたこともあった。
「ラジオはアナウンサーとして任せてもらえる役割が大きい。いま面白いと思えることにすぐにスイッチを切り替えることができます。東京五輪にアナウンサーとして関わってみたいと思っていて、文化放送の募集を見た時、これだ!と思いました」
入社1年で初めてパーソナリティーを任されたのが「ヴァイナル・ミュージック」。今月2日から既に2度の生放送を体験している。
「それまで1人でしゃべり続けることがなかったので、ツバを飲み込むタイミングがつかめませんでした。初回は、口の中にツバをためながらしゃべり続けて、曲に入ってからゴックンと飲み込むのを繰り返しました。終わった後、自分で放送を聞き返してみると、もっと間があってもいいと思ったので、2回目からはゴックンしたい時にするようにしました」
自ら「ヴァイナル・ミュージック散歩」という新コーナーを考案。シティーポップの舞台となった場所に足を運んでリポートする収録企画で、前回はハイ・ファイ・セット「土曜の夜は羽田に来るの」で描かれた羽田空港を訪れた。
「土曜の夜、国際線ターミナルに行ったんですけど、コロナ禍でほぼ欠航になっていて人がいませんでした。歌の世界観を感じに行ったんですけど、どちらかと言うと、観光業界が置かれた現状を目の当たりにするという報道番組のようなリポートになってしまいました」
現在はウクレレを練習中。上達して番組ジングルを作ることを目標にしている。
「ほかの曜日の人たちが弾き語りとかしているので、私も『弾き語りした方がいいですかね?』と聞いたら、ディレクター、プロデューサーに『歌わないで』と言われました。私は絶望的に歌がへたみたいなんです」
初回と2回目の放送にはまだ堅さがあったが、ユニークな人柄がにじみ出た印象。高校時代、丸刈り頭が好きで、目を閉じていても、知り合いの丸刈り頭を触れば誰だか分かったというエピソードが秀逸だ。
「自分では普通だと思っていることが結構変なようなんです。これからちゃんと自分をさらけ出していきたい。80代までしゃべり続けるとして、まだ伸びしろが50年あります。みなさまに『育ててあげよう』と思っていただけるようなパーソナリティーになりたい」
今のラジオ界の中で長く温かい目で見守りたい逸材だ。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。