米アカデミー賞 アジア系女性が初の監督賞 クロエ・ジャオ氏「ノマドランド」が3冠
2021年04月27日 05:30
芸能
コロナ禍の米国で、アジア系住民に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が大きな問題となる中で行われた授賞式。2016年には演技部門の候補者20人が全員白人だったことから「白すぎるオスカー」との批判が起きたが、今年は20人中9人が有色人種。助演女優賞のユンは、アジア系女優としても58年「サヨナラ」のナンシー梅木に次ぐ偉業で「私は競争は好きではない。ちょっと運が良かっただけ」とあいさつした。
出席者からは人種差別問題に相次いで「NO」の声が上がった。クロエ・ジャオ監督は「みんなで一つになり、相手が誰であろうと憎悪はやめにしよう」と呼び掛け、「ジーン・ハーショルト人道賞」を受賞した俳優タイラー・ペリーは「黒人だから、白人だから、アジア人だからと憎悪するのは拒否する」と強調した。
映画評論家の渡辺祥子さんは「会員の変化が感じられる受賞結果。今年はアフリカ系のことも特に意識しているように感じた」と話した。アカデミー賞に詳しい洋画配給関係者は「米映画産業の観客の中心はマイノリティーが多いローワーミドル。コロナ下で映画館を復活させるには、彼らに劇場に来てもらわないといけない。マイノリティーに“理解を示している”とメッセージを送った結果」と分析した。