コロナに粋は通じない 落語2協会が寄席支援のクラファン開始 春風亭昇太「現在の異常事態を理解して」
2021年05月18日 11:29
芸能
落語家の「道場」「ショーケース」と言われる寄席だが、昨年から3回の緊急事態宣言で休業や入場制限などの影響が経営に直撃し窮地に陥っている。コロナの流行が始まった昨年度は19年度に対して平均して70%の減収となっており、「昨年3月から今年4月にかけての赤字は平均して1軒につき5000~6000万円。年内ギリギリもつかどうか」(落語芸術協会事務局)と厳しい状況になっている。
落語協会の柳亭市馬会長(59)は「寄席に出る人数がお客さんより多い日もある。私たちの土台がぐらついている」と指摘。春風亭一之輔(43)は「寄付を募るのは野暮ったいと言われそうだが、コロナに粋は通じない」と嘆いた。
支援の対象は都内にある鈴本演芸場、新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、上野広小路亭の5軒。1口3000円から1000万円に設定し、目標金額は5000万円。クラウドファンディングサイト「レディーフォー」を通じて6月30日まで支援を呼び掛ける。
落語芸術協会参事の三遊亭小遊三(74)は「昨日、横須賀市に6000万円を匿名で寄付した人が話題になっていた。小1からコツコツ貯めていたと言い、世の中にはそういう人もいるんだと思った。ぜひそういう人を探したい」と明るく支援を呼び掛けた。