藤井2冠、王位戦初防衛へ挑戦者は豊島竜王に決定 過去7戦で1勝のみの“天敵”

2021年05月25日 05:30

芸能

藤井2冠、王位戦初防衛へ挑戦者は豊島竜王に決定 過去7戦で1勝のみの“天敵”
藤井聡太王位への挑戦権を獲得した豊島将之竜王(日本将棋連盟提供) Photo By 提供写真
 藤井聡太王位(18)=棋聖との2冠=への挑戦権を争う、豊島将之竜王(31)=叡王との2冠=と羽生善治九段(50)による挑戦者決定戦が24日、大阪・関西将棋会館であり、豊島が110手で勝利した。6月29、30日に名古屋市の名古屋能楽堂で第1局が開幕する7番勝負へ進出した。
 豊島は対藤井戦が6勝1敗。初対戦から6連勝し、1月の朝日杯で初めて敗れた。年度の勝率が4年連続8割を超え、勝率1位賞を獲得する藤井が最も苦手とする。

 番勝負での初対決に向け、豊島は「全体的に精度が高く、ずっと優勢を維持したまま勝つ強敵」と印象を語り、序中盤でのミスの少なさを指摘。藤井が瀬戸市で自身は一宮市と愛知県出身、2冠同士の対決に「国民的人気を誇るスーパースター。自分が今、どれだけやれるのか確認したい」。立場同様、年下の王者へ挑戦者の気構えだ。

 挑戦者決定リーグの紅組を勝ち上がった豊島と白組の羽生によるこの日の決定戦。戦型は相矢倉へ進んだ。定跡手順が続いた39手目、先手羽生が突如飛先の歩を突き出し、意欲的な仕掛けを見せた。

 豊島も黙ってない。中段での活用を図った羽生飛車を捕獲し、桂香との交換へ持ち込んだ。自陣で眠る飛車を成り、優勢を拡大して羽生を投了へ追い込んだ。

 「2筋を突き捨てたのが問題だったかも。ちょっとずつ攻めが細くなった」。羽生は昨秋、獲得タイトルの通算100期をかけ、竜王戦7番勝負で豊島に挑んだが1勝4敗。大一番でまたも返り討ちに遭った。

 昨年、10代で初の2冠となった藤井は6月6日、千葉県木更津市で第1局を迎える棋聖戦で渡辺明王将(37)=名人、棋王との3冠=を挑戦者に迎える。7月にかけての5番勝負とのダブル防衛戦となり、藤井は最大12局のタイトル戦を4カ月かけて指す。その相手が渡辺と豊島に決まり、合わせて5冠。熱い夏になりそうだ。

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