アニメ映画「漁港の肉子ちゃん」 明石家さんまの優しさが詰まった、心温まるコメディー
2021年05月26日 22:49
芸能
東北の漁港に流れ着いた親子の物語で、ダメ男にだまされ続けるハイテンションな母親の肉子と、しっかりものの小学生である娘キクコの日常を描く。小説の世界観そのままに、1メートル51、67・4キロ、38歳のふくよかな肉子が登場する。
大竹のナチュラルな関西弁もさることながら、Cocomi演じるキクコがハマり役だ。初めての声優挑戦とは思えないほど、東北の言葉から関西弁までを豊かに表現している。
アフレコの現場には、さんまが何度も何度も駆けつけ、アドバイスを送ったという。娘のCocomiと、母親の大竹とのリズムの良い掛け合いも、漫才の間というか、笑いの「間」になっている。母親の変な行動に対して、ボソッと突っ込むキクコが何ともよい味を出している。
会見では、さんまがCocomiについて「彼女はフルートとか、音楽がすごいので、関西弁を音符で覚える」と説明していた。関西弁でも、あまり最近は使われない「堪忍」という言葉のイントネーションも一度さんまがアドバイスすると一発OK。ナチュラルな関西弁の元は、フルート奏者でもある“音感”にあった。
肉子が鼻歌で歌うシャンソン歌手エディット・ピアフの「愛の賛歌」も、ピアフが大好きな大竹だけに似合っていた。さんまからは自身が大好きな映画「クレイマー・クレイマー」のテーマ曲や大竹のデビュー曲「みかん」(1976年)というリクエストもあったようだが、愛の賛歌に決まった。
さんまが後見役を務める、吉本興業を退社した宮迫博之(51)がセミ役で出演していることも含めて、全編にさんまの優しさが詰まっている。
6月にはフランスで開催される第45回アヌシー国際アニメーション映画祭でプレミア上映も決定した。お笑い怪獣の「愛の賛歌」。世界にどう映るのか、今から楽しみで仕方がない。