伝統の「早慶レガッタ」早大4連勝へ “リベンジ”に燃えるコックス・川野柊「死ぬまで残したい」
2021年05月29日 10:00
芸能
その中で、ほかの部員とは明らかに体格が違い、華奢な体つきの選手がいた。彼は4年生の川野柊。川野のポジションは漕ぎ手ではなく「コックス」。「コックス」とは、漕ぎ手の力加減がわずかでもズレると真っすぐに進まない「エイト」のバランスをとる役目。また、声で選手に指示を出し、鼓舞するのも「コックス」の仕事だ。
「早慶レガッタ」の2週間前、川野は減量に取り組んでいた。169センチ59キロ。やせ型の川野が減量するわけは「コックスって“お荷物”だと自分では思ってまして。自分の0.1キロ軽いことが、0.001秒、0.0001秒につながるかもしれないんで、そこで負けたくない」と並々ならぬ思いを持って臨んでいる。
それはなぜか。川野は早稲田の付属高時代に友人から勧められてボート部に入り「コックス」に出会った。だが、3年間で慶応の付属高に一度も勝てなかった。大学では、これまで控えだったが、4年生で初めて「早慶レガッタ」のメンバーに選ばれた。川野は「ここで勝たなければ、人生この後60年間、慶応に負けたという事実だけが残っていく。自分が慶応に勝ったという思いを死ぬまで残したい」と“リベンジ”に燃えている。
昨年はコロナ禍で中止となり、2年ぶりの開催。これまでの対戦成績は早稲田47勝、慶応40勝。ここ数年は早稲田が3連勝しており、川野が4連勝に導くのか。果たして「早慶レガッタ」の対決の行方は…。