里見香奈女流王位 将棋女流タイトルの通算獲得期数を12年ぶりに更新して44へ

2021年06月02日 19:33

芸能

里見香奈女流王位 将棋女流タイトルの通算獲得期数を12年ぶりに更新して44へ
山根ことみ女流二段との女流王位戦第3局に臨んだ里見香奈女流王位(提供・日本将棋連盟) Photo By 提供写真
 里見香奈女流王位(29)=清麗、女流名人、倉敷藤花との女流4冠=が2日、福岡県飯塚市で、挑戦者・山根ことみ女流二段(23)との女流王位戦5番勝負第3局を150手で制した。3連勝で3連覇。清水市代女流七段(52)と並ぶ女流タイトルの通算獲得期数を12年ぶりに更新して44へ伸ばし、歴代単独トップに立った。「数字にはこれまで執着することがなかった。これからも目の前のタイトル戦に集中していきたい」と意気込みを語った。
 振り飛車党の両者。戦型は先手山根が向かい飛車、里見は三間飛車に構えた。飛車交換から玉頭戦での駒の活用度で抜け出し、接戦を勝ち切った。昨年度、女流歴代3位タイの17連勝を記録した山根。その勢いを断ち、自身の通算勝利数を300(100敗)の大台にも乗せた。

 08年、倉敷藤花戦で初タイトル。以来毎年獲得を重ね、新記録に到達した。里見と毎月研究会を開く谷川浩司九段(59)は「タイトル戦翌日でも“研究会を入れてもらっていいです”と言ってくる。打ち込む姿勢が昔と変わらない」とその熱意を評価する。

 中学1年で女流2級に。対局のたび、故郷の島根県出雲市から夜行バスで東京へ通ったひた向きさは、10年以上女流のトップを維持しても変わらない。「地力を付けて、一般棋戦でも勝てるように頑張りたい」。かつて挑戦した、三段リーグからの四段昇段は果たせなかった。それでも5番勝負出場者に与えられる王位戦予選への出場資格は来年度まで確定した。その誇りを胸に、新たな頂を見据えた。

 ▼日本将棋連盟・佐藤康光会長 記録更新、誠におめでとうございます。20代の若さで達成されたことに凄みを感じます。これからも女流棋界を牽引し、益々のご活躍を祈念いたします。

 ▼清水市代女流七段 この度は、女流王位防衛、そして、タイトル獲得最多新記録、誠におめでとうございます。初めてタイトル戦で盤を挟んだ日のことや、時の経つのも忘れるほど語り合ったあの日のことを、懐かしく思い出しております。記録とは、新たに刻まれる瞬間にこそ、その真価を問われる。これまで保ち続けて来た最多記録の43期を越す最初の方が、敬愛なる「里見香奈」その人であったことをとても嬉しく、そして誇りに思います。これからも、期待や想像を遥かに超えた、里見女流4冠の輝く進化を確信しておりますとともに、ますますのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。
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