藤井聡太2冠 順位戦での連勝が22でストップ 通称「鬼の住処」で試練
2021年06月04日 02:18
芸能
![藤井聡太2冠 順位戦での連勝が22でストップ 通称「鬼の住処」で試練](/entertainment/news/2021/06/03/jpeg/20210604s00041000224000p_view.webp)
実力者ぞろいの通称「鬼の住処(すみか)」ことB級1組。持ち時間6時間の順位戦ではこれまで40勝1敗の圧倒的成績だったが、2回戦で洗礼を浴びた形だ。藤井、稲葉ともに1勝1敗となった。
一方、勝った稲葉は「前期から連敗が続いていた。自分の内容をよくしたいと思っていた」。A級だった前期は5回戦から5連敗。降級を経験し今年1月、発表した一般女性との結婚を発奮材料にした形だ。
13人が1年がかりで総当たりし、A級への昇級2枠を争う長丁場。藤井が谷川浩司九段(59)の史上最年少名人記録21歳2カ月を更新するためには、今期でA級昇級し、来期挑戦権をつかむ必要がある。前期、A級へ昇級した永瀬拓矢王座(28)、山崎隆之八段(40)はともに9勝3敗。1敗が即ち命取りではないが、序盤での黒星は避けたいところだった。
戦型は角換わり腰掛け銀。まだ中盤戦の60、66手目の2度、後手の藤井玉が4段目まで進出した。映画「天空の城ラピュタ」に描かれた城のように単騎で上昇する、まとめづらい自陣。ただ、前例の多い進行だっただけに指し手は快調に進み、昼食休憩までの2時間で67手指した。
ところが前例を離れた再開以降、長考が相次ぐ。72手目に藤井が1時間52分。午後6時の夕食休憩までに9手しか進まなかった。
対戦は5度目。NHK杯で稲葉が勝った後、朝日杯、王位戦、銀河戦と稲葉が3連敗した。その3連敗はいずれも角換わり。今回の戦型選択には相応の準備があったと見られ、第75期で名人挑戦も果たしたその構想力に注目が集まった。中盤以降、盤面中央に角、銀と持ち駒を打ち付け、構築した厚み。さらに最終盤、攻防の要だった角斬りの王手で優勢を拡大していった。
藤井は6日から棋聖位の初防衛戦を迎える。挑戦者は渡辺明王将(37)=名人、棋王との3冠=。「非常に注目されている舞台。精一杯指したい」。最多タイトルホルダーを相手に、切り替えに努めた。