藤井棋聖に王者の貫禄 棋聖戦5番勝負「今回はタイトルホルダーの立場 気持ちは高まってきた」
2021年06月06日 05:30
芸能
大舞台を前に、ほどよく気落ちを高ぶらせている。昨年は挑戦権獲得からわずか中3日での番勝負。「自分としてはタイトルを意識することはなかった」と、半ば丸腰で臨んだが、今年は渡辺が相手に決まった4月30日から36日間の豊富な準備期間が存在した。「今回はタイトルホルダーの立場で今日を迎え、気持ちは高まってきた。(準備は)自分なりにしっかり取り組むことができたと思います」と自信満々に言い切った。
相手は昨年同様。しかし立場が逆転した。加えて初の防衛戦。「挑戦者と違う面はあるのでしょうけど、自分としてはそういう違いは意識せずに臨めれば」と話すなど、肩に力は入っていない。対渡辺についても「今年の名人戦も防衛され、大変充実している印象。番勝負では作戦が巧みな印象があり、そこで後れをとらないようにしっかり対応したい」と、立て板に水のごとくよどみない発言だ。終始胸を張って応える姿からは貫禄の二文字がにじみ出ている。
シリーズを制すればタイトル保持3期となって史上最年少九段となる。4局までに決着する場合は史上最年少タイトル防衛のおまけも付く。史上空前の名勝負を繰り広げて「五輪延期ロス」の日本を大いに沸かせてからはや1年。今年も藤井の一手一手に興奮する季節がやってきた。