佐藤二朗 「暗黒の20代」役者と会社員を行ったり来たり…妻とは当時から同せい「よく許してくれたなと」
2021年06月07日 11:04
芸能
役者には「小学校4年生くらいからずっとやりたかったんです。(脚本家の)山田太一さんとか倉本聰さんとかのドラマををよく見ていて。ちょっとませてたんです」と話し、山田氏やドラマ「北の国から」で演出を務めた杉田成道氏には自分で作ったセリフをカセットテープに吹きこみ、『オレを使ってください』という言葉と共に送ったこともあったとした。
大学を卒業すると、大手企業であるリクルートに入社したものの「1日で辞めちゃったんですよ」と佐藤。「リクルート30年の歴史で入社日と退社日が同じ日になったのは君が初めてだ」と言われたとし、「リクルートにはもちろん何の非もありません。素晴らしい会社なんですけど。役者という火は消したつもりだったのに、配属が決まって上司を紹介され、同期と会い、『いよいよ俺は役者を諦めるんだな』と実感した。それでなんか気づいたら外出て、そのまま夜の鈍行で実家帰っちゃったんですよ」と衝撃の行動を告白した。
「これでこっち(役者)だ」と思った佐藤は文学座の演劇研究所に入ったものの、「1年で上(劇団員)に上がれず」別の養成所へ。そこでも「1年でダメで。『役者はもう諦める』って」とサラリーマンになったというが、1年半経つと「また役者がやりたくなるんですよ」と文学座の養成所の同期5人を誘って劇団「ちからわざ」を立ち上げた。
「当時同せいしてた彼女がよく許してくれたなと思って。『また戻んのか』って言わなかったなって。20代の頃は本当にピンポン玉みたい」と笑った佐藤。当時の彼女が現在の妻かと聞かれると、「そうです!もちろん。ずっとそう」とうなずいた。
妻とは妻が21歳、自身が25歳の時から8年同せいしていたとし、「野方のボロアパートです。風呂なし、集合玄関、靴持って2階に上がって、右の部屋でした。洗濯機置き場もない。僕が行ってた銭湯の隣にランドリーがあったんで」と当時の生活ぶりを語った。銭湯には吹き抜けの露天風呂スペースがあったとし「その空を見ながら誰か俺を見つけてくんねーかな、役者として、というのを毎晩思ってました」としみじみと語った。