藤井棋聖 渡辺王将との第2局を前に対局場検分 立会人の小林健二九段が展望「渡辺王将は負けられない」

2021年06月17日 19:57

芸能

藤井棋聖 渡辺王将との第2局を前に対局場検分 立会人の小林健二九段が展望「渡辺王将は負けられない」
18日の棋聖戦第2局に備え、兵庫県洲本市に入った渡辺明王将(右)と藤井聡太棋聖(提供・日本将棋連盟) Photo By 提供写真
 藤井聡太棋聖(18)=王位と2冠=が渡辺明王将(37)=名人、棋王の3冠=に先勝した棋聖戦5番勝負は18日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで第2局を迎える。17日は対局場検分が行われ、立会人の小林健二九段(64)らと盤駒をチェックした。
 小林は第2局を展望し、「渡辺王将は負けられない一局」と分析。第1局、後手番で「ブレイク」した藤井は第2局、有利な先手で指す。対して渡辺は、昨年奪われた棋聖位の奪回へ、残り4局で3勝が求められる。

 藤井から3勝することがいかに困難か。先月と今月、藤井は1敗ずつを喫したが、さらにもう1敗となると、その間に19連勝があったため永瀬拓矢王座に敗れた昨年10月まで8カ月、さかのぼらなければならない。

 「結果より内容重視の王道スタイル」と評する藤井は棋力向上への意識も高く、戦型選択を相手に委ねる傾向にある。そこで渡辺がどう出るか。「本線は角換わりです」。1年前、藤井との立場を入れ替えての5番勝負で唯一、しかも後手番で勝利したのが角換わり腰掛け銀。勝率・698のエース戦法だ。

 藤井が今月以降臨むダブル防衛戦。王位戦では豊島将之竜王=叡王との2冠=を挑戦者に迎える。小林は藤井―渡辺、藤井―豊島を「棋界のゴールデンカード」と表現し、「阪神の佐藤輝とロッテの佐々木朗、令和の名勝負になってほしい」。そのためにも「渡辺王将に壁になってほしい。藤井2冠もさらに強くなる」とした。
 小林は藤井の師匠・杉本昌隆八段の兄弟子。一方、渡辺は小林の弟子・伊奈祐介七段の妹・めぐみさんと結婚した。躍進を見守った両者によるタイトル戦での初の立会人。「私情を挟まず、名局を見守りたい」と期待を語った。(筒崎 嘉一)
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