藤井棋聖 渡辺王将との第2局を前に対局場検分 立会人の小林健二九段が展望「渡辺王将は負けられない」
2021年06月17日 19:57
芸能
藤井から3勝することがいかに困難か。先月と今月、藤井は1敗ずつを喫したが、さらにもう1敗となると、その間に19連勝があったため永瀬拓矢王座に敗れた昨年10月まで8カ月、さかのぼらなければならない。
「結果より内容重視の王道スタイル」と評する藤井は棋力向上への意識も高く、戦型選択を相手に委ねる傾向にある。そこで渡辺がどう出るか。「本線は角換わりです」。1年前、藤井との立場を入れ替えての5番勝負で唯一、しかも後手番で勝利したのが角換わり腰掛け銀。勝率・698のエース戦法だ。
藤井が今月以降臨むダブル防衛戦。王位戦では豊島将之竜王=叡王との2冠=を挑戦者に迎える。小林は藤井―渡辺、藤井―豊島を「棋界のゴールデンカード」と表現し、「阪神の佐藤輝とロッテの佐々木朗、令和の名勝負になってほしい」。そのためにも「渡辺王将に壁になってほしい。藤井2冠もさらに強くなる」とした。
小林は藤井の師匠・杉本昌隆八段の兄弟子。一方、渡辺は小林の弟子・伊奈祐介七段の妹・めぐみさんと結婚した。躍進を見守った両者によるタイトル戦での初の立会人。「私情を挟まず、名局を見守りたい」と期待を語った。(筒崎 嘉一)