宴会騒動の謝罪動画も大炎上 所属事務所がユーチューバーに強く出られない訳
2021年06月27日 20:00
芸能
広告業界も今回の宴会騒動を重くみており、大手ユーチューバー事務所の関係者は「再生回数がいくら伸びてもイメージの問題もある。モラルが低すぎる。広告のクライアントにとっても、イメージが悪いと意味がない。今後、影響は必ず出てくると思います」と話した。ヘラヘラ三銃士の謝罪動画は27日17時時点で計340万回以上、視聴されている。YouTubeの広告については「ケースバイケースだが、再生1回につき0・2円から0・25円ほど貰える仕組み。そこに広告主のタイアップ料などが加算されたりする」という。謝れば謝るほど儲かる仕組みになっている。
ところで、ユーチューバーの“暴走”の歯止めとなりそうな所属事務所はどう対応しているのか。活動休止を発表した「水溜まりボンド」のトミーらが所属する大手「UUUM」は公式に謝罪したが、ほかの事務所はあまり表に出てきていない。これにはクリエイターであるユーチューバーとの関係性も大きく影響している。
既存の芸能事務所では、所属タレントにコンプライアンス研修などを行い、トラブルが発生した際の謝罪対応や会見を仕切ったりすることが通例だ。ユーチューブ界はドライなビジネスパートナーという関係性で事務所もクリエイター側に強く物が言えないという。
「大物クリエイターはメリットがなければ、すぐに事務所を離れたりします。とにかく、この業界は人の出入りが激しい。クリエイターは動画の企画・撮影・編集までほとんど身内のスタッフでやる。そこに事務所が関与するケースは少なく、パワーバランスが芸能界とは違う。事務所がクリエイターに強く出られないのが実情です。謝罪動画のチェックもできていないのでは。これからはコンプライアンス研修や指導する事務所も増えていくと思います」(ユーチューバー事務所関係者)。
不祥事が起こった時にどう対応するかで、その人間の本質は問われる。「草分け的な存在であるHIKAKINらはトラブルを起こさないし、トラブルに巻き込まれないのもプロ意識の現れ。常に世間にどう見られてるかを、考えているからでしょう。そこまで考えていないユーチューバーは消えていくでしょう」(制作関係者)。
広告単価も下がる中、ユーチューブ界も次のステップに進み始めるのは確実。今後、事務所の謝罪対応の見直しも課題で、リアル“迷惑系”ユーチューバーも淘汰されることになりそうだ。