将棋の藤井聡太王位(18)=棋聖と2冠=が豊島将之竜王(31)=叡王と2冠=の挑戦を受ける、第62期王位戦7番勝負第1局第1日が29日、名古屋市の名古屋能楽堂で行われた。戦型は先手藤井が相掛かりを選択。昨年8月、当時の木村一基王位からストレート奪取した王位戦第4局以降、棋聖戦第1、2局とタイトル戦で3連勝している戦法。前日会見で「豊島竜王との対局は貴重。その機会を生かしたい」と話した藤井。過去1勝6敗の豊島に、研究成果をぶつけた。
対局開始前にも、その挑戦者魂を見せるシーンがあった。タイトル戦では通常、挑戦者、王者の順に対局場に入る。この日、先に着座したのは藤井。開始15分前に上座を占めた。12分前、対局場へ入った豊島は藤井の姿を視界に捉え、表情に緊張を走らせた。
昼食は藤井がえび天ころうどんといなり寿司、豊島は親子丼ところそば。藤井が瀬戸市で豊島は一宮市出身の同郷対決。麺に冷たいつゆをかけて食べる東海名物をともに選択し、2日制の長丁場に備えた。 (筒崎 嘉一)