スパイスを加えるアシスタント 「オドぜひ」プロデューサー語る(3)
2021年07月02日 12:00
芸能
制作する中京テレビの富田恭彦プロデューサー(制作会社「CTV MID ENJIN」所属)は磯貝アナの起用について「素直に肩書きに惹かれた。東大卒の真面目・インテリさを番組に注入してみたかった。これも番組立ち上げと同じで一種の賭けだった」と振り返る。
磯貝アナは「オドぜひ」に出演するまで、報道・情報番組での仕事がメインだった。富田氏も「会社も本来ならこの番組の仕事を振らないですよね」と語る。しかし、富田氏の強い希望で磯貝アナのアシスタント抜擢が実現。「磯貝の人生プランに『オドぜひ』はなかったでしょうね」と富田氏は笑う。
いざ起用してみると、「オードリーと『ぜひらー』が醸し出す男子校のような世界観に違和感としてハマっている」と手応えを感じている。一歩引いた立ち位置で、決して場の雰囲気を邪魔せず、下ネタなどの男子校ノリに時折見せる呆れた表情が視聴者に刺さっている。
富田氏は「普段の磯貝を見ていると、『本当に東大卒か?』と疑ってしまう」とするが、番組内でさすが東大卒の能力を披露する場面もある。例えば、「ぜひらー」が持ち込んだ記憶力勝負のゲームでは、驚異の記憶力を発揮する。そんな磯貝アナに「もっと嫌味なぐらいインテリな部分は見せつけて良いかも」と考える。
一方、ピン芸人のコウメ太夫(49)のものまねが大得意という女性が登場してものまね対決となった時には、その女性とオードリーに交ざり、磯貝アナもお馴染みのBGMを口ずさみながら舞い「チクショー!」まで全力でやりきる。普段とのギャップで、これもまた視聴者の心をつかんでいく。富田氏も「たまに体を張ると面白いんですよ」と新たな魅力を発見している。
富田氏はそんな磯貝アナへの思いを「下手にバラエティーに染まって欲しくはない。面白アナウンサーの役割ではなく、むしろ、『男子ってくだらないな~』という優等生なキャラでいて欲しい」と述べる。紅一点がさまざまな顔を見せ、番組の大きなスパイスになっている。(続く)