「筆談ホステス」斉藤里恵氏 聴覚障がい者として初の都議に 区議時代には議会も活動支援

2021年07月05日 17:30

芸能

「筆談ホステス」斉藤里恵氏 聴覚障がい者として初の都議に 区議時代には議会も活動支援
東京都議選で当選を決め、万歳する立憲民主党の新人斉藤里恵氏=4日夜、東京都大田区 Photo By 共同
 聴覚障がいを抱え「筆談ホステス」として知られる斉藤里恵氏(37)が4日の東京都議選に初当選した。立憲民主党から大田区に立候補し、15人の候補者が7議席を争った選挙区を勝ち抜いた。
 聴覚障がいを抱える都議の誕生は初めてとなる見通し。東京都議会議会局の広報担当者は「聴覚障がい者の議員に対応した事例は過去にありません」と説明。全日本ろうあ連盟も「把握している範囲ではありますが、都議では斉藤さんしかいません」と話した。

 議会局によると、傍聴者向けに本会議場には手話通訳者付きのモニターが設置されている。加えて本会議の傍聴席や委員会には難聴者補助設備(ヒアリングループ)の用意もされている。斉藤氏の議員活動についてどのように対応していくか注目される。

 斉藤氏が2015年に北区議選に初当選した際、同区議会が活動を支援する音声自動変換システムを導入。議会や委員会での発言を文字に変換し専用のタブレットに表示するもので、当時は全国で初めての試みとして話題になった。また、議員控え室内のドア近くにパトランプも設置。職員が入室する際にノックしても斉藤氏が聞こえないことから、ドアの前に取り付けたボタンを押して緊急時には赤、通常時には青のランプをそれぞれ点灯させることで、部屋にいる斉藤氏に伝える工夫をした。

 今回の選挙戦では斉藤氏自身が自動音声認識ソフトをスマートフォンにインストールして有権者やスタッフらとのコミュニケーションに活用。相手に答える際にはスマホで文字を打ち込んだり筆談で対応していた。
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