残暑の京都も涼やかに!蔵の中で開催された怪談朗読劇
2021年09月01日 15:15
芸能
まつむらは1980年にテレビ時代劇「暴れん坊将軍」でデビュー。近年は映画「花戦さ」(2017年)や、吉永小百合主演の映画「北の桜守」(18年)、「最高の人生の見つけ方」(19年)、ドラマ「科捜研の女」「遺留捜査」などに出演。10年ほど前から「創作怪談朗読劇」をライフワークとして精力的に上演し、19年には念願の米国公演も実現させた。
「諸国もののけかたり其の一 椿小路の比丘尼(びくに)さま」という創作劇。比丘尼とは人魚の肉などを食べて不老長寿を得た伝説上の人物。福井県小浜市には、800歳の時、若狭の殿様が病気になり、残りを殿様に譲って生涯を終えた八百比丘尼の話が伝わり、市内の神社に祀(まつ)られている。
椿小路の比丘尼が開いた語りの会。小泉八雲の妻、セツ夫人がそこで聞いた“耳なし法師”の話を夫に伝え、それをもとに八雲が「耳なし芳一」を作ったという創作劇だ。
まつむらは「嵐電(京福電鉄)の中で初めて開いた朗読劇の出し物が“耳なし芳一”でした。八雲の怪談は原点といってもいい題材」と話し、蔵を舞台にした公演については「おもしろかったです。ソーシャルディスタンスを取り、赤い遮幕を下ろした中で朗読しましたが、それがまた不気味さを増して良かったと思います」と強調した。
人気・実力を兼ね備えた当代きっての落語家、柳家喬太郎(57)も八雲の怪談をベースに「梅津忠兵衛」「雉子政談」などの新作噺(ばなし)を創作し、CDに収録している。やはり八雲作品は日本の夏に欠かせないものなのだろう。
いつもは三味線で伴奏を務める川合絃生氏が今回は琵琶の音色で朗読を彩った。コロナ下で思うような開催は難しいが、そんな中でも地道に、まつむらのチャレンジは続く。