大河「青天を衝け」 今後も吉沢亮と草なぎ剛の共演場面が見どころ
2021年09月08日 08:00
芸能
吉沢は「栄一は、慶喜が将軍になる前も将軍になってからも、ずっと尊敬していた。慶喜がその任から離れて一般人になっても尊敬していることに変わりない。立場が変わっても、その関係性は同じで、これから栄一が偉くなっても慶喜にあいさつに行く」と話す。
「朝敵」とされた慶喜は駿府で謹慎。12日の放送では、主君の意思を問いただそうとする栄一との再会が描かれる。
「この大河は、栄一と慶喜の2人の線で描いてきた作品でもあるので、2人の関係性は大きなテーマになる。これまで栄一と喜作(高良健吾)、慶喜と円四郎(堤真一)、円四郎と栄一など、男2人の関係性が色濃く描かれて来たが、やはり、栄一と慶喜の関係性はいちばん色濃く残っていくのではないか」
史実として、慶喜は1837(大正2年)まで、栄一は1931年(昭和6年)まで生きる。慶喜が趣味の人に徹していく一方で、栄一はやがて「日本資本主義の父」と呼ばれるような活躍を見せる。
「栄一は『最後まで生き延びた人』ということが大きい。周りの人たちからいろいろなものを受け継いで生き延びたから、いろんなことをやることができた。ただ、残された者の哀愁のようなものがあると思う。栄一の生命力はもちろんだが、生き延びた人たちの寂しさみたいなものが伝わればいい」
栄達を遂げた後の栄一は、慶喜の名誉回復に尽力する。自ら先頭に立って、慶喜の伝記も編さん。慶喜は自ら決した大政奉還など、歴史の重要局面に関して語ることになる。今後も吉沢と草なぎが共演する場面は大きな見どころになるだろう。
「草なぎさんは、僕が小学生の時から見ていた大スター。形は少し違うかもしれないが、慶喜に対する栄一の尊敬と、草なぎさんに対する僕の尊敬が、リンクしている部分があるかもしれない。アイドルとしての草なぎさん、役者としていろんな作品に出る草なぎさんを見ていたので、共演する前から、ずっと、凄い方だと思っていた。それは今、お芝居をしていても思うことで、その関係性が自然に出ればいいと思う」
2人が相対する場面は、この大河の中で、暖かな光を放ってゆくことになりそうだ。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。