「TOKYO MER」も最終回19・5%!TBS日曜劇場“圧倒的”3クール連続ヒット 視聴率上位独占
2021年09月13日 18:00
芸能
「待っているだけじゃ、助けられない命がある」――。アクション映画のようなスピード感とスケール感、特撮ドラマのようなヒーロー感とチーム感が視聴者の心をわしづかみに。新しい医療ドラマとして初回から反響を呼び掛けた。毎回、極限のオペが行われるスリリングな展開に加え、チーフドクター・喜多見役の鈴木の熱血ぶりや的確な処置、医系技官・音羽役の賀来賢人(32)のツンデレぶりも話題沸騰となった。
NHK・民放を通じ、今年放送されたドラマのうち、19%以上は以下の通り。
(1)20・4%=「ドラゴン桜」最終回(TBS、6月27日)
(2)20・1%=「天国と地獄~サイコな2人~」最終回(TBS、 3月21日)
(3)20・0%=「青天を衝け」初回(NHK、2月14日)
(4)19・5%=「TOKYO MER」最終回(TBS、9月12日)
(5)19・2%=「おかえりモネ」初回(NHK、5月17日)
日曜劇場が民放トップ3を独占。その突出ぶりが如実に分かる。しかも、3作とも最終回で番組最高をマーク。ピークの持っていき方を完全につかんでいる。
近年は「日頃それほどドラマを見ない中高年男性も惹きつける重厚な作品」のイメージが強い日曜劇場だが、今年3作はバラエティーに富んでいるのも価値がある。
綾瀬はるか(36)が主演を務めた「天国と地獄」は、刑事(綾瀬)と殺人鬼(高橋一生)の魂が入れ替わる究極の“スイッチエンターテインメント”。脚本の森下佳子氏が仕掛けた巧みなミステリーがネット考察班の予想をことごとく裏切り、SNS上で毎週、大反響を呼んだ。生き別れた兄弟の悲哀なども描き、単なるミステリーで終わらないテーマ性があった。
阿部寛(57)が主演を務めた「ドラゴン桜」は16年ぶり続編。東大専科の奮闘に、日曜劇場としては異例の「ティーン層(男女13~19歳)」の視聴率が好調だった。現代のエッセンスは盛り込んだが、主人公・桜木のメッセージ「自分を変えられるのは自分自身。自分自身で考えろ」は一貫。令和の今にこそ、阿部の熱演が心に響いた。
「TOKYO MER」は医療従事者へのエールが最大のコンセプト。脚本の黒岩氏は最終回を前に、こう語った。
「ちょっとだけ真面目な話をしますと、コロナ禍が続いて、毎日発表される感染者数や死者数がまるで記号のようになっているように感じます。でも、一人の死者には家族や友人や大切に思ってくれていた人たちが大勢いて、それは数字や記号なんかじゃなくて、とてつもなく重いもののはずです。そして、そういう現実を医療従事者の方々は背負って今日も頑張ってくれているのだと思います。だからこそ『MER』では『死者0』の有難さと『死者1』の重みをしっかりと表現したいなと思いました。そのとてつもない重さを背負ってでも再び立ち上がって、新たな命を救おうとするヒーローのお話を描きたいなと考えました。押しつけがましいメッセージはエンタメの邪魔なので排除したつもりですが、最終回まで観てくれた方が、純粋にドラマを楽しんで、最後に何かを感じてくれたのなら、これ以上幸せなことはありません」
昨年7月期「半沢直樹」や「天国と地獄」などに参加してきた松木彩監督は「TOKYO MER」がチーフ演出デビュー。“日曜劇場イズム”を受け継ぎ、スピード感&スケール感あふれる映像を生み出した。
次回作は10月10日スタートが決まった小栗旬(38)主演「日本沈没―希望のひと―」。舞台は2023年の東京。環境問題をテーマに、国家の危機に瀕してなお、一筋の希望の光を見いだすために奮闘する究極の人間ドラマがオリジナルのキャラクター&ストーリーとして展開される。来年1月期「DCU」は再び阿部が主演し、スキューバダイバーの捜査官役。水中難事件の解決に挑む。
痛快なエンターテインメントに徹しながら、テーマ性も内包。日曜劇場の快進撃はしばらく続きそうだ。