伊東蒼「おかえりモネ」で朝ドラ初出演 「ヒロインへの尊敬の気持ちが強くなった」
2021年10月04日 08:20
芸能
「ずっと朝ドラはあこがれだったので、これまで何度かオーディションを受けて来ました。自分の目標の1つだったので、『おかえりモネ』の出演が決まった時は本当にうれしかったし、祖母に電話で伝えた時に泣いて喜んでもらえたのも朝ドラの特別感を感じました」
──オーディションは?
「家を出発する直前まで『おかえりモネ』を見て、自分が感じたドラマの雰囲気を大切にしてオーディションでお芝居をしました。それまでのオーディションは、その朝ドラの放送が始まる前に、誰かの幼少期の役で受けることが多かったので、ドラマの雰囲気が分かりませんでした。今回は放送が始まってからのオーディションだったので、ドラマの雰囲気をイメージして受けられたのが良かったのかなと思います」
──石井あかり役は?
「台本と一緒にいただいたキャラクター設定に『特別に暗い子として描かない』と書いてありました。衣装合わせの時、監督さんたちが『普通にそのへんにいる中学3年生の子で、進路について悩みつつ、ちょっとフワフワしている感じが出ればいい』とおっしゃっていたので、受験生の時に感じていた自分も周りもどこかフワフワ、ピリピリした雰囲気を思い出しながら演じました。これまで、極端に暗い役や家庭環境が変わっている役が多かったので、あかりちゃんが今まででいちばん自分に近い役かもしれません」
──初めての収録は?
「最初は百音ちゃんのおうちのシーンでした。スタジオに入ったら、テレビで見ていたおうちがそこにあったので、凄いなと思いました。セットチェンジで壁が外れたり階段が動いたりするのには驚きました。百音ちゃん(清原果耶)、亜哉子さん(鈴木京香)と3人のシーンだったのですが、すごく緊張しました。セリフを間違えないかな、家で練習した通りにできるかな、と不安で、ドキドキしていました。お二人ともすごく優しくて、待っている間や控室にいる時に『学校はどう?勉強はどんな感じ?』と話しかけてくれて、少し緊張が解けました」
──清原果耶との共演は?
「リハーサルの時、最初に声をかけてくださいました。お芝居の時は、自分がそこにいて私が居やすいか、動きやすいかということを気にしてくださいました。本当に優しくて『百音ちゃん大好き!』と思いました」
──将来ヒロインをやってみたい?
「いつかはやれるように頑張りたいですが、清原さんのように、自分のお芝居をしながら、カメラが回っていない間も誰かを気遣うようなことは私にはまだまだできません。以前から、朝ドラのヒロインは凄いと思っていましたが、ますます尊敬の気持ちが強くなりました」
──勉強になったこと、良かったことは?
「こんな気持ちだろうと考えていたセリフが、相手のセリフを聞いて、ちょっと違うものになったり、言いにくいと思っていたセリフがすっと出てきたりしたので、その場で感じることが大事なんだと思いました。あかりちゃんが亜哉子さんと2人で話すシーンがあるのですが、そのシーンは監督さんから『セリフを言う前の視線と表情が良かった』とほめていただき、うれしかったです」
──これからどんな女優に?
「今は、いただける役、オーディションで合格した役のひとつひとつを一生懸命、大事に演じています。これからもそれを続けて、いろいろな役を演じていって、応援してくださっている方々、支えてくれている家族や友だち、事務所の方々に恩返しできたらいいなと思っています」
──最後に、今後の石井あかりの見どころは?
「あかりちゃんは、自分で気づいていない、ほんの少しのひっかかりを持っています。私も、もしかしたら自分で気づいていないだけで、そういう部分があるかもしれないと思ったので、視聴者のみなさんにも共感していただけると、うれしいです」
◇伊東 蒼(いとう・あおい)2005年(平17)9月16日生まれ、大阪府出身の16歳。11年、ドラマ「アントキノイノチ~プロローグ~天国への引越し屋」でデビュー。12年、NHK大河ドラマ「平清盛」に出演。16年の映画「湯を沸かすほどの熱い愛」で高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞。17年の映画初主演作「島々清しゃ」で毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞。今年は映画「空白」などに出演。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。