「ホリプロ」創業者・堀威夫氏 文化功労者に スター発掘のポイントは「歯と目と声」
2021年10月26日 12:06
芸能
「特に目は、これからなにかやってくれそうな子はキラキラしている。歯並びのキレイな子は健康だし、元々は音楽プロダクションなので、歌も歌わせました」
そうして見つけ出したのが「第1回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを獲得した榊原郁恵(62)だった。榊原をさらに羽ばたかせるために、ミュージカル「ピーターパン」を公演し演劇の世界にも進出。エンターテインメント界をけん引してきた。
2020年6月にファウンダー最高顧問を下り、全ての役職を離れた堀氏。しかし、新型コロナ禍によるエンタメへの逆風を憂いている。「エンタメは、より良く生きるための“生存必需品”。なくてもいい、なんて声はとても悔しいですね」。例えるなら、ハンドルの遊びの部分だという。「安全運転のために、遊びは必要。エンタメはそういうものじゃないでしょうか」と熱弁をふるった。
今年89歳を迎えてもなお、張りのある声と凜(りん)とした佇まいを崩さない。「これから世の中がどう変わるのか分からないけど、変化に対応できないと生き残れない世界ですよ」。戦前から現在までを駆け抜けた日々の重みが、1つ1つの言葉ににじみ出ていた。