「日本沈没」香川照之“ミスター日曜劇場”の説得力!田所博士“怪演”の裏側 独特の髪形&口調自ら提案
2021年11月06日 10:00
芸能
脚本は「華麗なる一族」「獣医ドリトル」「LEADERS リーダーズ」などの橋本裕志氏。チーフ演出は「インハンド」「ノーサイド・ゲーム」「TOKYO MER~走る緊急救命室~」などの平野監督。撮影は今年春に終了した。
平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は初回15・8%、第2話15・7%、第3話15・7%と好調をキープしている。
香川の日曜劇場出演は実に11回目。今回演じるのは、原作でも人気の田所雄介役。日本地球物理学界の異端児で、関東沈没説を主張している。初回の登場時から圧倒的なインパクト。SNS上には「相変わらずクセが強いw」「香川さんのアクをさらに煮詰めたような役」「香川さんの田所博士は期待を超えるぶっ飛びようでした」などの声が相次いだ。
パーマのかかった髪形と独特の口調からして“マッドサイエンティストぶり”を全開。ヘアスタイルについて、平野監督は「最初に香川さんの方からご提案を頂きました。僕たちスタッフも『え?そっちの方向?』と少し驚きましたが、衣装合わせの日にメガネもかけて試していただくと、もう面倒くさい人にしか見えない(笑)。もともと田所博士のキャラクターについては、周囲の空気を読まずに発言したり『関わると面倒だな』と感じる人に見えたらいいなと考えていました。なので、あの髪形とメガネの香川さんに『どう?』って、じろっと視線を向けられた時には、もう即決でした。クランクアップのごあいさつの時にも『この髪形があったから、僕は田所になれました』とおっしゃっていて。それぐらい、香川さんにとっては重要なアイテムだったと思います」と明かした。
口調については「世良教授(國村隼)があれだけスマートにしゃべるので、その対比としても、香川さん自ら工夫してくださいました。日曜劇場にはたくさんお出になっているので、ヘアスタイルにしても口調にしても、これまでの役と何か差別化されたかったんじゃないかと思います」。東仲恵吾プロデューサーも「香川さんからのご提案で、田所博士は世間の注目を浴びていない人なので、それほど人と会話をしていないんじゃないか、と。だから、相手の問い掛けにストレートに答えられなかったり。研究者として自分を信じて疑わない芯の強さと、人との距離感がうまくつかめない部分を表現するために、本当に細かいお芝居ですが、独特のテンポの台詞回しを生み出していただきました」と付け加え、絶賛した。
第2話はうな重、第3話は上天丼をほおばったが、田所博士が天丼好きという設定の原作リスペクト。東仲プロデューサーは「『腹が減っては戦ができぬ』じゃないですが、とにかく食べてパワフルに研究している姿を印象づけたかったので、食べるシーンをいっぱい入れました」。第4話以降も注目される。
平野監督も日曜劇場作品には数多く参加しているが、香川とのタッグは初。「香川さんにあの口調でガンガン説明されると、関東沈没説は本当なのかと思ってしまう、その説得力に圧倒されます。それは学者役としての説得力だけじゃなく、役者さんがフィクションを本物のことのように見せていく説得力というんでしょうか。この力強さを持っている人は、なかなかいらっしゃらない。そういう意味で、今回、田所博士を演じられるのは、やっぱり香川さんしかいなかったと思います」と“ミスター日曜劇場”の本領発揮に魅了された。