野末陳平氏、立川談志さんとの会食で見た超レアな夫婦愛「器用なことをやるなと思ってた」
2021年11月21日 21:17
芸能
野末氏はダークスーツにハット、サングラスというおしゃれな姿で登場。「ものすごいお元気じゃないですか?」と驚く伯山に、「元気じゃないよ。ボケてるんだよ。ボケてますよ。君、誰?」と答えて笑わせた。
当時の名場面として、談志さんと野末氏がお互いをはりせんでたたき合うシーンが流された。伯山から「老人がたたき合う姿を初めて見た」といじり気味に指摘されると、野末氏は「今思うと、何とあんなバカなことをやってたかと。あれしか芸がないんだよ」と振り返った。
野末氏は番組で約4年間、談志さんと共演。晩年、がんとの闘病も長かった談志さんと、食事に行った思い出を披露した。「談志さんが食欲がなくなってきてから、『陳さん、たまには中華食べてえ』よって言うんです」。談志さんのリクエストはフカヒレで、中華料理店に談志さん、談志さんの妻らを連れて行ったという。
食欲のない談志さんはフカヒレだけを注文。野末氏ら他の人たちが普通の中華料理を食べる中、談志さんはそのフカヒレを切り分け始めたという。「談志さんはフカヒレを分けるんだよ。自分が食べるために分けてると思った。そうじゃない。分けてね、『陳さん(野末氏)、これ。これは…』って言って、お取り分けして。僕も器用なことをやるなと思ってた」と振り返った。
ところが、この食事が談志さん夫妻にとって、とても貴重な機会だったことを後で知ったという。「後で聞いたら、夫婦で一緒に食事するってことが結婚以来、何回かしかないって。それくらい忙しかったんだよね。『その何回かの1回があれだったんですよ、陳さん。しかもお取り分けをしてくれたよ』って、すごく喜んでくれてた」と、談志さんの妻から大いに感謝されたという。
その話に感激した野末氏は、「僕が『こんなに喜んでもらえるなら、毎年やりたい』って言って、次の年も、次の年もって」と、夫婦のレアな食事機会を毎年、提供し続けたという。しかし、「だんだん聞きつけて人数が増えちゃった。だから途中でやめた」と、話のオチもしっかり付けていた。