藤井竜王 今年最後の公式戦も締めた 1年で2冠を追加して4冠に「全体として実力以上の結果を出せた」
2021年12月03日 01:50
芸能
「形勢は苦しいと思っていました」。率直にそう語りながらも粘り強く指し続け、逆転の機をうかがった。働きの悪かった角に活が入り「(角が)使える形になって難しくなったと思った」と手応えを感じたという。
13人が総当たりし、名人挑戦権を争うA級への昇級2枠を争う同級。7勝1敗で7勝0敗の首位・佐々木勇気七段(27)を追う2番手だった藤井は8勝1敗とし、この日屋敷伸之九段(49)に敗れた佐々木を抜いて首位に立った。
次回10回戦は抜け番のため、残り3局に谷川浩司九段(59)の史上最年少名人記録21歳2カ月の更新へ希望をつないだ。藤井が「谷川超え」を果たすには今年度でA級昇級し、さらに来年度A級での戦いを勝ち抜き、最短ルートで名人挑戦権をつかむ必要があった。
「自分は次の対局が年明けになる。それまでにいい形にして全力を尽くしたい」。16年のデビュー以来、1年納めの対局は6連勝となり、今年もしっかり締めた。年明けからは5冠目を目指し、今年度最後のタイトル戦、本社主催・第71期ALSOK杯王将戦7番勝負に9日から登場する。