「カムカムエヴリバディ」上白石萌音の英会話力 演出側は「凄いとしか言いようがない」
2021年12月09日 08:15
芸能
終戦直後の場面だけに安子の英会話力の高さに違和感を覚える視聴者もいるだろうが、二見氏は「英語指導の先生に聞くと、ラジオ英語講座を毎日聴けば、そのくらいのレベルに達することもあるようだ。このドラマの展開が早いため、『なぜ、安子はこんなにペラペラなのだろう』と思う人がいるかもしれないが、見ていただいている方々もラジオ英語講座を長く聴き続けると、そのくらいになれるかもしれないという希望を込めて演出した」と話す。
以前にも上白石の英会話力はドラマで発揮されている。昨年、NHKの全編英語ドラマ「Home Sweet Tokyo(ホーム・スイート東京)」シーズン4に出演。上白石は「この作品のお話をうかがった時は、こんなに英語をしゃべると思っていなかったので、台本を読んでビックリしました」と率直な思いを吐露しながらも、ドラマの中で堪能な話しぶりを見せた。
今回の朝ドラで、安子がラジオ英語講座で学び続けることについて、上白石は「そこは楽しみにしてただきたいところ。安子の吸収力は凄いです。見ていただく方には、成長を楽しんでいただけると思います。成長の段階もていねいに描かれています」と話している。
実は、上白石の英会話力は、ヒロイン起用に際して特に考慮されたものではなかった。制作統括の堀之内礼二郎チーフプロデューサーは「そこは全く考えなかった。あの芝居を見て、ここまで話せるのか…と驚いた。当時の日本人があそこまで話せるのは非現実的なところもあるかもしれないが、心情としては入り込めた。上白石さんが安子で良かったと思った」と明かす。
演出の二見氏は「英語をよく知らない日本人が英語を話すと、心がついていかない。上白石さんはひと言ひと言、英語の意味を理解し、間合いを考え、気持ちを乗せていた」と語る。
安子はラジオ英語講座で学び続ける。これから上白石がどれだけ流ちょうな英語のセリフを披露することになるか、見どころの一つになる。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。