永山瑛太 NHK正月時代劇で坂本龍馬役 「一生懸命に演じれば必ず何か伝わる」

2021年12月13日 08:00

芸能

永山瑛太 NHK正月時代劇で坂本龍馬役 「一生懸命に演じれば必ず何か伝わる」
NHK正月時代劇「幕末相棒伝」で、坂本龍馬を演じた永山瑛太(C)NHK Photo By 提供写真
 【牧 元一の孤人焦点】坂本龍馬を演じるのは容易ではない。歴史上、人気の高い人物で、これまで多くの役者が取り組み、既にさまざまなイメージが存在するからだ。NHK正月時代劇「幕末相棒伝」(来年1月3日、後9・00)に主演した俳優・永山瑛太(38)は「重圧や不安みたいなものはあった」と明かす。
 この時代劇は五十嵐貴久氏(59)の小説「相棒」が原作で、土橋章宏氏(51)が脚本を担当。本来は敵同士の龍馬と土方歳三がコンビを組んで、徳川慶喜暗殺未遂事件の犯人を探り、大政奉還を成就させようとする物語だ。

 永山は「これまで龍馬を演じて来た方々や『お~い!竜馬』(漫画・アニメ)など他作品のイメージをゼロにするところ、『永山瑛太の坂本龍馬』とはいったい何か?と考えるところから始めた。明るく、楽しく、元気に、シンプルに自分の坂本龍馬を演じることができれば良いと考えた。命がけで日本を変えようとした人物を演じるという気概を持たないと、最後まで演じきれないと思った」と説明する。

 演じ方については「監督から『思い切りやって』と言われた。シーンごとに打ち合わせはしたが、演技はカメラがあり、セットがあり、共演者がいて、その上で生まれるもの。そこで一生懸命に演じれば、必ず、見ていただく方々に何か伝わるということを信じて演じた。一生懸命に突っ走ることに集中した」と話す。

 その胸にあったのは、龍馬が残した言葉「世の人は我を何とも言わば言え 我が成すことは我のみぞ知る」だ。

 「その言葉が最後まで自分の核になった。作品には必ず賛否両論があるから、見ていただい方のそれぞれの感想があって良い。自分がやることは自分が知っていれば良い。そこは揺らいでも絶対に折れないぞという思いがあった」

 この物語が進む中で龍馬は「日本の夜明けが来るぜよ!」と叫ぶ。

 「僕の解釈としては、本当の日本の夜明けは、本物の先導者が生まれるところから始まる。今の日本にも、光や希望を与えてくれ先導者が必要で、人々がその光や希望を信じて強くなっていくことで、日本全体が明るくなっていく。そんな思いを込めた」

 もう1人の主人公、土方歳三は、俳優の向井理(39)が演じた。

 「最初の顔合わせの時から、土方歳三になっているのか、ふだんの向井理さんがそういう人なのか、どこかベールに包まれているような、少し近寄りがたいオーラを放っていた。その距離感みたいなものが、この作品にとても有効だったのではないかと思う。撮影の時も、多少の世間話はしたが、一定の距離を保ちつつ、お互いに自分の役を全うしていくという関係性だった。龍馬の相手の懐に飛び込んだり突っ込んだりする言動を、しっかり受け止める芝居をしてくれたので、とても安心して思い切り振り切って龍馬を演じることができた。向井さんの噐の大きさのおかげだと思う」

 2022年の幕開けに姿を見せる新・龍馬。永山瑛太の新たな魅力がぎっしり詰まったドラマでもある。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。
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