羽生九段 A級順位戦で逆転勝利 2勝4敗で最下位転落を回避も、陥落確率はなお5割超え
2021年12月16日 01:25
芸能
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午後10時ごろ、羽生は敵陣の1筋に角銀を打ち付け、攻めの拠点とした。山崎王を逆サイドへ逃しかねない、危うい踏み込み。そこから角を生還させ、捕獲した飛車を敵陣へ打ち付けて寄せの網を絞っていった。
この日敗れて1勝5敗以下となれば、総勢11人で争った第76期を除く最近10期で15人中12人が陥落した。陥落確率8割。羽生は1993年度の第52期から連続29期、A級以上を維持する。名人在位はうち通算9期で十九世名人の資格保持者でもある。A級で負け越したのは第57期と前々期、前期の3期のみと抜群の安定感を誇っただけに、薄氷であれ、つかんだ勝利の手応えは大きかったに違いない。それでも第76期を除く最近10期で、6回戦を終えての2勝4敗以下は36人中19人が陥落。陥落確率はなお5割を超えている。
一方の山崎は今期初のA級昇級で、新A級としては最高齢のオールドルーキー。昨年度までB級1組で連続13期、足踏みしてきた苦労人だ。現在藤井聡太竜王(19)=王位、叡王、棋王含め4冠=が在籍する「鬼の住処」の番人を卒業し、A級では開幕4連敗から5回戦でついに初勝利を挙げたがこの日、逆転負けで勢いに乗り損ねた。