作陽高校女子サッカー部 池田監督、悲願の日本一へ異例のチーム作りに着手
2022年01月08日 10:00
芸能
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選手のために時間を使い、行動し続けることに「代表レベルがゴロゴロいるわけではない。頑張り屋さんがたくさん来てくれる学校なので、その子たちが頑張れる方法を伝えていくのはすごく大事」と語った。
池田監督自身も現役時代に決してエリートと呼ばれる選手ではなかった。女子サッカーの名門・日本体育大学に入学も、なかなか試合に出場できなかった。それでも、気持ちを全面に出すプレーでレギュラーをつかみ、4年生で主将も任された。卒業後はなでしこリーグ「岡山湯郷Belle」に入団。だが、右膝の前十字靭帯断裂で1年で現役を引退。指導者としての経験が少ない分、選手と向き合い続け、徐々に現在の指導スタイルへとたどり着いた。
作陽高校は昨年の高校選手権で2度目の準優勝。しかし、悲願の日本一のタイトルを手にしていない。池田監督は、選手たちをもう1段階成長させるため、異例のチーム作りに着手。それは選手だけでチームの課題を話し合い、池田監督がサポートに徹し、チーム方針は全て選手たち自身が決めていく選手主導のチーム作りだった。
練習試合の映像を振り返り、選手たちが「よかったプレー」「悪かったプレー」をチェック、重要な場面は携帯電話を使って編集。チェックポイントを書いた動画をチーム全員で共有する。そこから全員の意見を3年生がまとめ、チームの課題を決める。池田監督の元には毎週、選手が決めた練習テーマが届き、そのテーマに合わせた具体的な練習メニューを作成していく。
以前までは池田監督が映像分析なども全て行い、練習メニューを作成。しかし「あまり選手が楽しくなさそうだった。楽しくないのに練習する意味あるかな」と、選手たちの異変に気付いて選手主導に切り替えた。こうした新たなチーム作りが選手たちの意識を変えた。自ら考えて、動くことによって、試合では池田監督の指示がなくとも打開策を選手たちが話し合い勝利を手にすることもあった。
高校選手権まで1カ月を切った中、チーム方針を選手に委ねてきた池田監督が唯一、自分の責任で決断をしたことがある。それは登録メンバーの選考。登録できるのは50人中30人。「楽じゃない」と悩み抜いた登録メンバーを発表し、「誰かのために頑張れる奴、自分の成長のために頑張れる奴しか、ここにはいないと思っている」と伝えた。チームの結束とさらなる成長を誓って挑んだ高校選手権。悲願の日本一へ、結果はいかに。