「ドライブ・マイ・カー」全米批評家協会賞4冠 日本映画初のアカデミー賞作品賞有力候補に急浮上
2022年01月10日 05:30
芸能
カンヌ映画祭の脚本賞を皮切りに、同作が受賞した賞は35以上。濱口監督は大学院の卒業製作をスペインの映画祭に出品するなど、当初から世界を意識。今作もワールドマーケットで通用する普遍的な人間ドラマに加え、世界的に翻訳されている村上春樹氏の小説が原作。劇中にチェーホフの「ワーニャ伯父さん」、ベケットの「ゴドーを待ちながら」と有名戯曲が登場するなど、国際的にも受け入れられやすく高い評価を得ている。日本でも昨年8月の公開以来、ロングランヒット中だ。
全米批評家協会賞作品賞は20年「パラサイト 半地下の家族」、21年「ノマドランド」で、ともにアカデミー賞作品賞を受賞。「ドライブ・マイ・カー」はニューヨーク、ロサンゼルスなど、全米主要都市の映画祭でも外国映画賞を受賞しており、勢いは両作を上回っている。アカデミー賞ノミネートの発表は2月8日、授賞式は3月28日。「パラサイト」に続くアカデミー作品賞、長編国際映画賞のダブル受賞も含め、注目度は高まるばかりだ。
◇ドライブ・マイ・カー 村上春樹氏の短編集「女のいない男たち」収蔵の同名小説が原作。演出家で俳優の家福(西島)は、妻がある秘密を残して急死し喪失感に打ちのめされる。2年後、愛車で向かった演劇祭で、心に傷を持つ寡黙な専属ドライバーのみさき(三浦)と出会う。同じ時間を過ごす過程で、家福は再生へのかすかな希望を見いだしていく。