桂二葉の挑戦「“女流”という言葉を死語にしたい」 31日からの繁昌亭昼席で「大トリ」の大役
2022年01月12日 14:29
芸能
「女性の噺家はなかなか生まれないだろう。ただし、うまい人が出て来たら別かも」。かつて上方落語四天王の1人である故・桂米朝さんが自著「落語と私」で語った。逸話を披露した上方落語協会会長の笑福亭仁智(69)は「米朝師匠が仰ってた。男性仕様の落語ですから」と、落語が男性が喋るという前提で作られ、引き継がれてきたものであることを指摘した。
そんな言葉への反骨心が二葉の力になった。米朝さんの本の「女性は~」の部分には「赤線を引いてあります」と自身へ言い聞かせてきた。ただ、「女には女のやり方があると書いてありましたが分からない。男の人と一緒のやり方で」と自然体で高座へ。「女流という言葉は死語にしたい。米朝師匠が生きていたらどう言ってくださるか、聞いてみたい」とし、「うまい落語でなく、楽しい1週間にしたい」とあくまで“二葉流”で受賞記念ウィークを迎える構えだ。
仁智も「(二葉の落語は)女性の違和感もなく、話に集中できる表現力がある。女性を忘れさせるところがある。大きな殻を破って“上方に二葉あり”というところを期待しています」と絶賛した。
「第7回上方落語若手噺家グランプリ」で優勝し、「三題噺王」を決める「落語とビジュアルアートのアニュアーレ」を予選1位通過した桂小鯛(37)は受賞記念ウィーク(1月24~30日)について「優勝は自信につながりました。いつも昼席では2番目に出ていますが、今回はゆっくり、いろんなネタができる。『時うどん』『動物園』の呪縛からやっと逃れられる。今回も新作をやって、自分の色を出したい」と語った。